役者人生の転機

ゴロウ・デラックス (2018年5月17日放送分)

ゲスト:梶芽衣子

オープニングトーク
外山 「今夜は芸歴54年の女優さんがゲストでいらっしゃいます」
吾郎 「はぁい」
外山 「座右の銘、『媚びない めげない くじけない』」
吾郎 「まったく僕にないですよね(笑) まぁ、立ち直りも早いですけどね」

吾郎本人が気づいているのかわからないですが、実は吾郎はとても強い人だといつも思ってます。

第297回課題図書 『真実』  梶芽衣子著

Photo 映画のような激動の71年間の人生を綴った一冊。

10代の頃にモデルでデビューした梶さんは、自らお芝居がしたいと思ったわけではなくスカウトされて芸能界入り。17歳で映画に初出演した際には、周りから「できない分からないは言うな」と言われ、とにかく見よう見真似で役者の仕事を始める。

デビュー7年目には、婚約者との別れを決意。映画『女囚さそり』が大ヒットとなりスケジュールがいっぱいになり、結婚したら仕事を辞めるというのが婚約者との条件だったため別れることに。別れる際に婚約者に言われたことは、「誰とも結婚するな」「死ぬまで仕事を辞めるな」だったそうですが、仕事を辞めるなはいいとして結婚するなは横暴すぎるでしょ。なんで別れる相手にこんなこと言われなきゃならないのよ(笑)

クールなヒロイン役を演じることが多かった梶さんは、35歳のときの3か月間NY留学が俳優人生の大きな転機となった。NYブロードウェイの役者さんたちはオーディションで役を取り、ひとつの公演が終わると別のオーディションがあるときまでバイト生活。そんな本場の舞台役者の日々の生活を目の当たりにして、人生観も俳優としての心構えもすべて変わったそう。吾郎にも少しの間海外留学を経験してほしいと思うのは、やはり世界を見てきてほしいと思うから。今なら、個人のお仕事の合間にできるんじゃないかなぁ。

以降、梶さんはクールビューティな主演だけでなく、いろんなキャラクターの脇でも積極的に仕事を受けるようになる。吾郎自身も、主演にこだわらずに面白いと思う役は受けてきたけど、結果「やらなきゃよかったなぁ」と思ったことは一度もないと断言。その話を聞いた梶さんが、2010年の映画『十三人の刺客』での吾郎を大絶賛! とてもありがたい言葉を受けて、それでも三池監督がすごかったと自分よりも監督や周りの共演者の良さを話す吾郎の男前のこと(笑)

三池監督からオファーを受けたときは、自分は十三人の一人の役だと思っていたし、明石藩の残酷な殿を演じることになっても深く考えず楽しく演じさせてもらったと話す吾郎。トップアイドルが最後、首を切られるなんて昔は考えられなかったと言う梶さんは、吾郎の殿はとても怖かった、一番光っていたと話してくれました。本当に多くの方が、この役を演じる吾郎を褒めてくださったんですよねぇ。吾郎も言っていたけど、ここが吾郎の役者としてのひとつの良い転機だったと思う。

梶さんは、28年間続いたドラマ『鬼平犯科帳』の「おまさ」を自ら志願してドラマに出演させて頂いていてとても思い入れのあった役だったので、最後の収録が終わった打ち上げでは涙が止まらなかったそうです。役者として、そんな役に出会えるって幸せですよね。

最近は、誘われてロックを歌うようになった梶さん。ステージに立つと観客から元気をもらえると。それは吾郎も同じだと大きく同意。
梶 「吾郎さん、お歌はやめてないんでしょ?」
吾郎 「もちろん、もちろん」
梶 「もう、絶対続けてね!

私たちファンからも、「吾郎さん、役者だけでなく歌も続けてね。そしてライブでファンの前に出てきてください!」とお願いしたいです。

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「72時間」を経て得たもの

72時間ホンネテレビ」から「新しい別の窓 7.2時間」が生まれた。
吾郎慎吾の活躍を心から応援していきたいと思っているファンの想いと願いが、AbemaTVでのレギュラー番組に繋がったと思います。その気持ちを全身で受け止めて、3人が長丁場での新バラエティ番組を展開してくれているのは見ていてわかる。

なんせ長いので、正直言うと、全編通して楽しめるわけではない(笑)
少し複雑になるところもあったり、間延びしてしまうコーナーもある。でも、新しいことをやっているんだなぁ、すごいなぁという思いのほうが強く、多少のことは目をつむってます。

レポを書こうと思ったけど、少し時間が経ってしまったのもあり、とりあえず吾郎さんに関して思ったことだけを書いておこうと。

歌のコーナーでは、とても楽しんでいる吾郎がいる。
正直、SMAP時代には5人もいるからか前に率先して出てきたリ、ファンにアピールする人ではなかった。(そのクールな感じでキュートな笑顔のロイヤルお手振りが個人的には気に入っていたけど(笑)) でも、AbemaTVで見た吾郎はちょっと違っていた。ライブでファンを煽る?! しっかりファンの目を見てお手振りをして盛り上げる。あぁ、こういうことできる人だったんだと(笑)

トークでも稲垣吾郎という存在が大きく出るようになった。剛と慎吾が話をそらさずにちゃんと聞いてくれるというのも大きい。SMAPのときの流れが嫌だったからとかではなく、今の吾郎がしっかり出せる環境になったのは素直に喜ばしい。バラエティでも、「スマスマ」のようなコントにも挑戦した吾郎。あぁ、懐かしいなぁ、と嬉しくなった。

「7.2時間」では、個人的には3人以外のゲストの方が多く出てくるコーナーはあまり好きではない。出演してくださった方がどうこうではなくて、どうしても3人のトークがゆっくり聞けないのは残念なので。だって、彼らのファンだからそれは仕方ない。あまり、画面がガチャガチャするのが好きではないというのもありますが。だから、「72時間」でも最初のパーティが長くて長くて断念しそうになったので(笑)

事務所を出てからの彼らは、想像していたより活躍の場を広げている。「ジャニーズ枠」という縛りがなくなったのもあるとは思うけど、雑誌での表紙、ネットでの写真。地上波テレビの制限(忖度?なんじゃ、そりゃ(苦笑))を除けば、幸せすぎるほどの活躍です。

何が一番嬉しいって、夏のミュージカルも決まった吾郎さん。なんと、公演3か月前の公表ですよ! これも、「縛り」から抜け出せて、早くにファンに伝えることができたのではないか。これが、一番大きいかもしれない。なんせ、英国にいるときは公演1か月前を過ぎてからの公表とか常だったので、そこから会社へのホリデーの申請、飛行機の手配・・・ものすごく大変だった。今、海外にいるファンの方はとても助かっていると思います。

いつか、事務所から独立するというのはあったと思うのですが、今この時期に決断した3人は間違っていなかったと思う。その勇気に感謝したい。きっと、なにもかもがうまくいくと思う。まだまだ、嬉しいニュースが出てくるかと思うと楽しみでしかないよ、うん(笑)

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小説の「書き出し」

ゴロウ・デラックス (2018年5月10日放送分)

ゲスト:根本昌夫

外山 「吾郎さん、最近ブログとかTwitterとかやられてるじゃないですか」
吾郎 「まぁ、やってますよ」
外山 「文章書くの楽しいですか?」
吾郎 「楽しいですよ」
外山 「ブログとかで文章読んでて思ったんですけど、小説家デビュー狙ってません?
吾郎 ?!?!?!

小説、吾郎さんにトライしてほしいんですよねぇ。確かに吾郎のブログの文章は光るものがある。文章を書くには才能とセンスが大事。吾郎なら狙えます(笑)

今回のゲストは小説家ではなくて、小説家になる人たちを育てる方。この番組にゲストで来てくださった今年の芥川賞受賞お二人の講師をされていたということで、番組に来て頂きました。

第296回課題図書 『【実践】小説教室』  根本昌夫著

Photo 元々は、文芸誌の編集長として多くの作家を指南。そんな根本先生流の小説の書き方をわかりやすく教えてくれる一冊。現在、12もの小説講座を持つ大注目の講師。

教え子の若竹千佐子さんと石井游佳さんのお二人が、芥川賞W受賞。若竹さんに関しては、100%受賞すると思われたそうで、それだけ太鼓判を押されるってすごいですね。

実際に、根本先生の小説講座をVTRで紹介することに。授業内容は、生徒が自由に小説を書き、それを事前に読み批評しあう「合評」が中心となる。思っていた以上に、ここはこうしたほうがいい、これは間違っているのではないか、というのを遠慮なく討論しあう。これで、心が折れたりはしないんですかね(笑) ある程度は、自分の文章の癖というのを良い意味で批評してもらうのはいいのかもしれない。

根本先生曰く、「小説とは、読者の数だけ読み方が異なり、様々な読み方に幅広く耐えられるものが良い小説

なるほど・・・オリジナリティは大事だけど、自分よがりの文章は小説では通用しないんですね。私には無理だ(笑)

小説で一番大切なのは「書き出し」。ここで、いっきに読者を引き付けられる一行を書けるかが大事。根本先生から、吾郎と外山さんに収録一週間前に実は宿題が出されていました。テーマは、「ラブストーリー」と「ミステリー」。プロットだけを考えておいてもらって、スタジオで実際に「書き出し」を二人に書いてもらうことに。

実例の紹介。
優しいサヨクのための嬉遊曲』 島田雅彦著 - 「待ち伏せは四日目に入った。
恋愛もサークルもうまくいかない男子学生の混沌とした日々を描いた恋愛小説。ミステリー?サスペンス?と思いきや、想い人の女性を同じ場所、同じ時間で待ち続ける主人公の独白。

吾郎は、島田さんの作品は好きで20代の頃、よく読んでましたよね。これも、とても好きな作品だそうです。

背負い水』 荻野アンナ著 - 「真っ赤な嘘と言うけれど。嘘に色があるならば、薔薇色の嘘をつきたいと思う。
30代の女性主人公と3人の男たちの恋愛小説。女も男もさまざまな嘘をつく。それこそが、この小説のテーマ。

では、吾郎と外山さんの実践スタート。小説の書き出しを書いてみよう。
テーマ① ラブストーリー
外山 - 「「肉じゃがのじゃがいもは、固いほうが好き?それとも崩れてるくらいドロドロに煮込んだほうが好き?」と彼女が聞いた。

根本先生からは、直しなしのセンスありをゲット。

吾郎 - 「「美しいダイヤモンドだって気づかぬうちに汚れてしまっているものなんだよ」 私の体温によって微かな熱を帯び、日々の生活の中で少しずつ油膜が付着してしまったネックレスを、彼はそっと私の首に手を回し後ろ髪に隠されたその留め金を探りあて、自分のものと一緒に洗剤を入れたコップへ一気に沈めてみせた。 二つの輪っかがガラスの底に到着したことを知らせる小さな振動を確認すると、私は呟いた。「それって、なんだか恥ずかしいよ・・・」 ガラスの向こう、青く滲む水の中で漂う二人のネックレス。

先生の直しとしては、ところどころ説明文が多すぎるので思い切り削っていくことをアドバイス。出だしだけでなく、続きを吾郎を書いてみたと思うのですが、出だし自体は、「美しいダイヤモンドだって気づかぬうちに汚れてしまっているものなんだよ」なんですよね。それだけ書けば、おそらく直しなしだったと思います。

テーマ② ミステリー
外山 - 「冬に露天風呂に入ると、家に帰りたくなる。だから、来たくなかった。

根本先生は、この出だしだけでタイトルも『女子アナ温泉殺人事件』とつけられて、ベストセラーになると(笑) 

吾郎 - 「なだらかな曲線を描く額の麓にある漆黒の瞳は、先端までメリハリのある横顔の印象の中に静かに存在している。 彼女の美しい横顔に見惚れている時間が僕は好きだ。 しかし、そんな物静かな彼女からは想像も付かない過激な一言に僕は一瞬で凍りついた。 「あなたは美しき世界からきたクソ野郎ね」

映画の宣伝(笑)(笑)(笑)
根本先生からは、いくつか単語に直しが入り、やはりこちらも余分な単語を省いてすっきりさせるようアドバイス。

吾郎の場合は、とにかく情景を説明する文章をなんでも書いてみる癖があるのかな? そして、ミステリーよりも恋愛小説のほうが向いている気がする(笑) 吾郎は女性を美しく表現する。そういうタイプだと思うので。

実際に直してもらうと、自分の文章の癖がわかっていいですよね。「面白い」と吾郎が言っていたので前向きに挑戦してみてほしいなぁと。現代小説よりも、純文学とか書くほうがいいのかもしれない。いつか、「稲垣吾郎」とクレジットされた本を手に取ってみたいものです。

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クローズド・サークルとは?

ゴロウ・デラックス (2018年5月3日放送分)

ゲスト:今村昌弘

今回の課題図書は、ミステリ。1841年に、エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』で始まったと言われる犯罪をテーマとして扱う推理小説。

今回のゲストは、ミステリ界で最も注目されている新人作家。昨年デビューし、20年以上続く日本のミステリランキングで3冠を達成。東野圭吾の『容疑者Xの献身』以来13年振りとなり、デビュー作での3冠は史上初という快挙。

第295回課題図書 『屍人荘の殺人』  今村昌弘著

Photo ある映画研究部の合宿で、別荘に男女14人が集まる。その近くで行われていたフェスでテロが発生。混乱の中、別荘の中では不可解な殺人事件が起こる。2つの事件が重なるとき、想像し得ない事態へと発展する新感覚ミステリ小説。

評価ポイント① これまでミステリ界に存在しなかった新しいシチュエーション
なんらかの事情で登場人物が一つの場所から外に出られなくなる状況で起きる事件、クローズド・サークル現象。つまり、閉ざされた空間ということですね。例として、孤島、雪山の山荘、豪華客船の中で起こる事件。

今回の今村さんの著書『屍人荘の殺人』では、どういったクローズド・サークルなのか。番組の美術さんが頑張ってくれました(笑) ネタバレをしない程度に、作品と同じような状況を作り、殺された遺体はADさんが演じます(笑) そのセットに、吾郎と外山さん、今村さんで出向いてみることに。もちろん、「ゴロデラ」なので小芝居付きです(爆)

セットの部屋の外には、①「恐ろしい何か」が窓ガラスを叩く、(ここは、ネタバレを避けるため白いマスクを被ったスタッフたちが演じております(笑))、②外から助けが来ない、③外と連絡が取れないという状況。

外山さんが最初の殺人現場を朗読。想像していたより生々しい。吾郎が「読んでいて怖くなった」と言っていた意味がわかりました。

評価ポイント② 誰にでも分かるミステリ
初めて本格ミステリを読む人や、あまり読書をしない人にもわかりやすいように、ミステリの専門用語が丁寧に説明されている。

今村さんは、元は診療放射線技師をやられていたのもあり、患者さんにわかりやすく説明をするという経験が影響を受けているのが大きいということ。スタッフが今村さんのご自宅の書斎を訪問して、小説の書き方を取材。

もともと、ミステリばかりを読んでいたわけではない「理数系脳」をお持ちの今村さんは、大御所本格ミステリ作家である有栖川有栖先生や綾辻行人先生の本などを1か月100冊読むペースで読み漁り、構成を読みながらノートにメモして分析。自身の作品も書き終えてある程度時間が経ってから自分でダメ出しをして修正を重ねるという徹底ぶり。さすが、理系の方だなぁと(笑)

今村さんが吾郎を登場させてミステリを書くなら、これまでたくさん探偵や刑事の役をやってきた吾郎に敢えて被害者や犯人役をやってもらえれば面白いと。周りから慕われている男が、実は最後は犯人だったという結末。それも、恨みや欲からの殺人ではなくて、普通に見えるのに少しボタンをかけ違ったサイコパス。自白のシーンでは、淡々と語るような男。

いい! いいですねぇ(笑) 
吾郎 「書いてください!僕のイメージで書いてください」
外山 「それは、もう・・・(笑)」
吾郎 ??? 
今村 「映像化して稲垣さん出てきたら、「こいつ犯人や!」って(笑)」
吾郎 「(理解する)ばれちゃう(笑)」

最後に親太朗くんの消しゴムはんこコーナー。楽屋に3人が赴くと・・・血だらけの親太朗くん(笑) 置いてあった消しゴムはんこを紙に押してみると・・・
吾郎 「『恐ろしい何か』は言っちゃいけないんだから」
(画面では、りんごマークappleでモザイクが)

あっ、最後の最後に鏡に映ってますよ(笑)(笑)(笑) わざとですか、消し忘れですか? それとも、本当は違うものなのか(笑)

本格ミステリ作家である有栖川有栖や綾辻行人の「館シリーズ」は、一時期とても嵌ったので今村さんの『屍人荘の殺人』絶対買います。「恐ろしい何か」はわかってしまったけど(笑)

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狂気の女優魂

ゴロウ・デラックス (2018年4月19・26日放送分)

ゲスト:岩下志麻・春日太一

一度、番組に来てくださった時代劇研究家の春日さんが、大女優さんについての本を書かれたということで大特集です。

第293・294回課題図書 『美しく、狂おしく~岩下志麻の女優道』  春日太一著

Photo 岩下志麻さんは、1958年の17歳のときに女優デビューしたのち、小津安二郎監督の映画『秋刀魚の味』(1962年)や川端康成原作『雪国』(1965年)など数々の名作に出演。代表作となった『極道の妻たち』シリーズは大ヒット。

今回、岩下さんをテーマに本を書かれたのは、以前番組で取り上げた五社英雄監督の取材をしているときに、監督の作品に多数出演されている岩下さんは欠かせないだろうということでご本人に取材をお願いして実現したのがきっかけ。

岩下さんと吾郎は、「スマスマ」でのコント(ホストマンブルースですね(笑))で共演した過去がありますが、岩下さんはご自身で面白くなるような小道具を持参(笑) さすが、役をご自身でプロデュースされるだけのことはあります。岩下さんの役作りは徹底している。

はなれ瞽女おりん』(1977年)
盲目の三味線弾きを演じる際に、なるだけ日常で目をつむって過ごしてみることから暗闇に慣れるようにした。

吾郎 「そこまで、僕はしたことがありません」

どちらかと言うと、吾郎は頭で考えて役を自分のものにするタイプの役者さんだと思うので、それぞれでいいと思います(笑) 岩下さんは、ガッツリ役に入り込むタイプなので、現場で日常のことで話しかけられるのは苦手だそう。吾郎は、『笑の大学』のときに相手役の役所広司さんに、カメラ本番直前まで下を向いていたことに注意を受けたことがあるらしい。カメラが回る前に、二人の見つめ合う緊張感は作らないといけないというアドバイスは、いまでもよく覚えているのだとか。

卑弥呼』(1974年)
邪馬台国の卑弥呼を演じるための役作りのときは、霊媒師に会って卑弥呼の霊を自分に降ろしてもらうよう頼んだ。実際は、一緒に行った方が突然畳をかきむしった様子を作品の中で参考にさせてもらったのだとか。

鬼畜』(1978年)
夫の愛人の間にできた子どもたちを虐める役なので、現場では子役の子たちとは一切話さず冷たい態度を取り続ける。子どもたちは、本当に怯えていたらしく、効果抜群だったんですね(笑)

春日さんが選ぶ、岩下志麻狂気の女優道ベスト3
1. 人格を演じ分けた女優魂
悪霊島』(1981年)二重人格としてのふたつの女性を演じ分ける。これが、妖艶さのハードルが斜め上をいく自慰シーンで、ご自身が監督に提案したというから、女優さんって怖い(笑)

2. あの女優との演技合戦
疑惑』(1982年)
アドリブを入れ込むタイプの違う女優、桃井かおりさんとの女優対決。岩下さんがアドリブをまったく入れないにもかかわらず、毎回動じず演技を続けたというのが見もの。

吾郎 「カメラマンさんがいて、監督さんがいて、もうカット割りを考えているのに、アドリブを入れていくっていうのは、基本的には僕はダメだと思いますけどね。あっ、アドリブ言ってきた・・・って、一瞬そっちの感情になるじゃないですか。別に桃井さんのことを言ってるわけではないんですけど(笑)、僕はアドリブする人はあまり好きじゃないです」

吾郎が言っていた、「作品は役者のものではなくて、監督のもの」という名言をまた思い出した。吾郎の中での役者とはという理論は、筋が一本通っていて揺るぎないと毎回、役者論を聞くたびにそう思います。

3. 禁断の映画制作秘話
魔の刻』(1985年)
禁断の母子愛を描いた作品。息子役を演じたのは坂上忍さん。まさに狂気の母親ですが、この作品は岩下さん自らが熱望した企画。

日常から離れた狂気を演じたいと思っている岩下さんは、狂気を自然に演じるということを心掛けているそうですが、ここで吾郎と二人で演じることの会話が弾んでいた。岩下さんも吾郎も、自分とは違う役を演じきることが楽しいんだろうなぁ。春日さんも、一人の人間として捉え心情を理解し、狂気を特別なものとして演じないのが岩下志麻という女優なんだと分析されています。

岩下さんが今、やりたいと思っている作品は、過去の栄光にすがりつく女優の悲劇を描いた『サンセット大通り』。
春日 「ここのお二人でやったら、きっとピッタリな感じしますね」
岩下 「あ~、ピッタリね。あの役ね!」
吾郎 「あの役があるんですか?」
岩下 「相手役の男役の記者の人間がいるんですよ」
吾郎 「光栄ですね。いつかご一緒させてください」
岩下 「そうですね。こちらこそ、よろしくお願いします」
吾郎 「その企画のとき、僕のこと忘れないでくださいね」
岩下 「今日、しっかり刻み込みましたので(笑)」

是非、岩下さんが次回やりたいという作品『サンセット大通り』、相手役は吾郎さんで(笑)

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