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純文学芸人作家

素晴らしい文章を書く方は、けして作家を生業としている人だけじゃない。
今回のゲストは、そんな方が「ゴロウ・デラックス」に来てくださいました。

第百六十一回課題図書 『火花』 又吉直樹著

Photo 熱海の花火大会の漫才会場で、売れない若手芸人の「僕」が破滅型の天才芸人神谷と運命的に出会い弟子入り。二人の濃密すぎる10年間を描いた青春小説。掲載された文芸誌「文學界」を、83年の歴史上、初の増刷を導き社会現象を引き起こした作品。さらに、単行本は35万部の大ヒット。

『火花』の冒頭を吾郎が朗読。「ストーリーはエンターテイメントなのに、言葉は美しく純文学」という吾郎の「読みやすい純文学」という言葉どおり、朗読された冒頭の一節は非常に純文学の香りがする文章で綴られています。

又吉さんと言えば、お笑い芸人ピースのボケ担当。でも、とても読書が好き、そして本そのものが好きなんですね。常に鞄の中に数冊の本をしのばせていて、ちょっとした時間に読書をするという習慣を持っているそう。その中で、俳句で使う季語の辞書『俳句歳時記』というのがとても興味深い。季語の後ろに例句として代表的な俳句が並んでいるのが面白く、持っているだけで楽しそうです。

この後、又吉さん自身が「自宅の本棚」を撮影したVTRが流れますが、たくさん並ぶ本の中にとにかく太宰治の本が多い。全集や初版なども揃えていてコレクターとしての趣味も持っておられる様子。大阪から上京したときに住んだ三鷹のアパートが、調べてみると太宰治が住んでいた家の場所だったのも素敵な偶然ですね。吾郎が「太宰さんが、(又吉さんを)呼んだんだよねぇ。お話したかったんじゃない?」という素敵なコメントに、又吉さんも嬉しそうでした。

今回は、吾郎からそんな太宰治好きの又吉さんにナイスサプライズが(笑)
・ 太宰治著の『花燭』、『愛と美について』の初版
・ 太宰治が愛用していたのと同じモデルの今や絶版の万年筆「EVERSHARP」(エヴァーシャープ)
これらは、番組から又吉さんへのプレゼントと聞かされ、「リアクションは薄く見えるけどむちゃくちゃ喜んでいるんです」という又吉さんに、吾郎が「ちゃんと伝わっています」と言うとおり、画面から喜びは伝わってきました。とても素敵なプレゼントですよね。

今回の小説を書くきっかけになったのは、芸人の中では後輩が売れていても食事に行けば先輩が必ず奢るという暗黙のルールがあり、そんな関係性を小説にしてみようと思ったことだったとか。作品の舞台となる吉祥寺には、実際に何度も出かけて実在する町やお店を細やかに描写してリアルな風景描写となっている。吾郎が、実在する喫茶店「武蔵野珈琲店」の描写部分を朗読。

最後に、又吉さんが100回は読んだという太宰治の『人間失格』は、人の痛みは平等であるということを太宰は書きたかったんじゃないかと語る、語る(笑)

吾郎 「又吉さんが、テレビでこんなに喋るの初めて見る」

確かに(笑) 人は、自分が好きなものには熱く語れるものですよね。親太朗くんの消しゴムはんこは、太宰が銀座のバー「ルパン」で座っているのと同じポーズの又吉さんの太宰とのコラボ作品。こちらも、とても喜んでくれました。

又吉さんは、エッセイをいくつも書いていての今回の小説に挑戦したということですが、吾郎の文章もとても素晴らしいのはエッセイでも作家の方たちからも好評なのは証明済み。又吉さんのキラキラした瞳に刺激を受けたんじゃないかなぁ。いつか、是非、吾郎にも小説を書いてほしいと思いました。

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コメント

Kazuyoさま

吾郎が朗読をした「火花」の一節は、言葉の選び方、美しさで先ずは読んでみようかなという気になりました。ゴロデラで紹介された本の中には、番組で取り上げなかったら自ら書店で手に取ることも無かったと思われる本もあり、新しい刺激を貰っています。そういう意味でもこの番組は貴重です。

「火花」の内容や好きな本を語る又吉さんと、聞き手の吾郎の目が終始輝いていたのが魅力的で素敵。特に太宰の話になるとその目の輝きが一段と増した様な気がしました(笑)数多くの太宰作品の中から特に注目度の高い「人間失格」と「桜桃」の初版本を大事そうに取り出した又吉さんを見て、本当に太宰に心酔されているのだろうと感じましたが、そういう又吉さんを尊重し、丁寧に話を聞き出す吾郎はさすがでしたね。

「火花」の中に出てくる喫茶店の取材や、「花燭」「愛と美について」の初版本、今では手に入れることが難しいであろう万年筆の紹介と又吉さんへのプレゼントに、吾郎を初めとしてスタッフが如何にゲストを大事に思い、丁寧で手を抜かない番組作りを心がけているかが分かり、改めてこの番組の素晴らしさを確認しました。

吾郎のエッセイ集「馬耳東風」の紹介コメントに作家・稲垣吾郎を予感させるというようなものがあったなぁと思ったり、最近ではスマスマのショートショート小説で文の上手さを披露していたので、ぜひ吾郎にも小説の執筆に取り組んで欲しいですよね。

投稿: さやか | 2015/05/10 03:51

penさやかさん
又吉さんは、芸人さんでありながらもとても思慮深く文学肌な方だとは思っていましたが、とても繊細な文章を書かれる方なんですね。好きなことを貫いていて素敵だなぁと感じました。芸人さんをゲストにお呼びするとどうしても笑いを無理に入れ込みたくなるものだとは思いますが、いつもの「ゴロデラ」の流れで本を丁寧に紹介していて又吉さんも嬉しかったのではないでしょうか。こんな良い番組は、ずっとTBSさんには続けていってほしいですね。もともと、芸人さんに偏見もなく笑いの沸点も低い(笑)吾郎が、とても楽しそうだったのも見ていて微笑ましかったです。そして、コメントはひたすら優しくて素敵。吾郎の文章がとても優れているのは、いろんなところで立証済みなので小説に挑戦してほしいですねぇ。忙しい人だとは思うのですが、時間があるときに少しずつなら可能かなぁ・・・と、とりえあずエッセイでもいいから吾郎さんの文章を読ませてほしいですね(笑)

投稿: kazuyo | 2015/05/10 21:47

kazuyoさん、こんばんは。又吉さんが、本が大好きで、読書家っていうのは、知ってたんですが、いやいや凄いですよね。私が一番、いいなって思ったのが、芸人としてではなく、今夜は、ちゃんと作家さんとして吾郎ちゃんや外山さんが接してることが、素晴らしいし、また、又吉さんも、描写のやり方や実際に吉祥寺に足を運んだり、実際の街並み、商店街、お気に入りのコーヒー店の描写などが、まんま作家さんのやり方で、やっぱり才能がある人は違うなって思いました。また、実際に存在している街を書くことによって、わかりやすく、その場所に行きたくなりますよね(笑)すっごく太宰治が好きな又吉さん、「人間失格」を読んでの感想が、個人的には心に残りました。私は、仕事柄人の悩みを聞くほうですが、悩みは、他の人にとっては、ささいな悩みでもその人にとっては、重要でホントに苦しんでるんです。抜け出したくてもがいてるんです。それを比べて「ちっぽけ」なんてことはホント言ってはいけませんよね。私は、その悩みから解放されて、笑顔に戻る生徒の顔が好きでこの仕事に就いたので、又吉さんの言葉は重みがあり、とても心に残りました。吾郎ちゃんのサプライズも素敵でしたね。又吉さんの輝く瞳をみて、喜んで、感無量なのは伝わってきました(笑)ホント、太宰のことになると、喋る喋る(笑)私もこんなに喋る又吉さんは、見たことありません(笑)これでも好きってわかりますよね。人って好きな話は尽きませんもんねhappy01また、又吉さんが借りたアパートの場所に、太宰治が住んでたっていうのも、ホント、吾郎ちゃんのいうように、導かれたみたいですよね。太宰が「この部屋使うといいよ」って引き寄せてくれたみたいです。吾郎ちゃんの言葉も、素敵でしたshineなんかロマンチックだなって思って、また凄い運命の糸を吾郎ちゃんの言葉から感じることができました。今回は、又吉さんの新たな一面が見れて嬉しかったです。是非、また執筆してほしいです。そうそう、吾郎ちゃんの小説もいいですよねぇ。私、吾郎ちゃんが小説書いたらもう、何千回って読みますよ(笑)そして宝物にする(笑)いつも持ち歩くと思うなheart04

投稿: さおり | 2015/05/10 21:59

penさおりさん
作家の方だけでなく、タレント、芸人を呼ぶことによって番組がしっかりしているかがわかりますね。今回の又吉さんもそうでしたが、SMAPから木村くんや慎吾が来てくれたときも、ちゃんと出版した写真集をメインに番組づくりがされていた。歌を歌うわけでもなく、SMAPの話をするわけでもなく一本筋が通っている。スタッフがとても優秀ですね。オープニングから、MCの吾郎と外山さんが今夜のゲストを「作家さん」だと思っているというトークもよかったですね。又吉さんが喋りたいことを遮らずに、しっかり聞いて素敵なコメントを残す吾郎に惚れ惚れしました。こういうのを見させてもらうと、どうしても、じゃあ吾郎なら本でどのぐらい語ってくれるのだろうか・・・と思ってしまう。この番組は吾郎の冠番組でゲストをお呼びするわけだから、基本は吾郎が語るところは見れないんですよね。それは、間違っていないしMCに徹しているのは本当に素晴らしいと思う。なので、本をやはり吾郎さんに出してほしいのです(笑) 自分の番組で一度思い切り自分の本について語ってほしい。諦めずに要望は出し続けますよ~(笑)

投稿: kazuyo | 2015/05/11 11:04

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