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ファンタジーのリアリズム

今週もロケ?と思った「ゴロウ・デラックス」のオープニング。吾郎さんと外山さんが、横浜の元町に。
外山 「横浜の思い出なんてありますか?」
吾郎 「よくデートに来たね」 (指を折って一緒に来た女の子の人数を数える振りの吾郎さん(笑))

いつものちょっとした小芝居から始まる「ゴロデラ」は、ロケに出ても同じ(笑) 今週は、児童文学作家の方の事務所に訪問。

第百九十三回課題図書 『だれも知らない小さな国』 佐藤さとる著

Photo 身長3センチの小人コロボックルと、人間セイタカさんとの不思議な交流を描いた一冊。1959年の発売以来、50年以上にわたり子供たちに読まれ続けてきた不朽の名作で日本初のファンタジー小説。著書の佐藤さんは、87歳。これまでに執筆した本は100冊以上。優れた児童文学に贈られる国際アンデルセン賞を初め、数多くの文学賞を受賞。そんな佐藤さんの代表作が、累計売上50万部を誇る今回の課題図書となっているコロボックル・シリーズ。

吾郎も外山さんも子供の頃に読んだことがあるというこの名作。家にあった児童小説の中の一冊で、私も子供時代に読みました。とっても夢があって、それでいて何が起こるのかページをめくる手が止まらなかったのを覚えています。コロボックルを生み出した経緯は、アイヌ神話に出てくる「コロポクンクル」というフキの葉の下の人という意味のお話を北海道出身のご両親から聞いて、そこからインスピレーションを膨らませて書かれたそうです。

小人のコロボックルを人間セイタカさんが初めて見つける場面を外山さんが朗読。このコロボックル・シリーズはイラストを描かれている村上勉さんの力も大きいですよね。コロボックルのお話と言えば、このイラストありきだったので。物語の題材に小人のお話を選んだのは、夏目漱石の俳句に『すみれほどな小さき人に生まれたし』という一節を読んで、英文学者でもある漱石が句にしたのは英国での妖精(フェアリー)のことだと思い書き始めたのがきっかけ。

コロボックルが住む小山に高速道路建設計画が持ち上がる箇所を吾郎が朗読。佐藤さんの書くコロボックル・シリーズの特徴は、ファンタジーとリアリティの融合。ファンタジーはリアリズムの延長線上にあるものだから嘘があっちゃいけないというのが佐藤さんのポリシー。それに対して、「映画『ゴジラ』を観ていても、全長80メートルもあるゴジラに人間が踏みつけられるシーンでの人間の身長が大きすぎるのを見て興ざめする」と語る吾郎に、佐藤さんがその指摘を褒めてくださいます。このあとも、佐藤さんの育った横須賀での丘の上からの写真で、一人遊びが好きだった吾郎少年はこういう場所で秘密の基地で遊んだという話をして、佐藤さんから「あんた、よく似ているなぁ、感性が(笑)」と言われ「ありがとうございます」と謙虚にお礼を伝える吾郎。文学家の方との感性が似ているというのは、ゲストの作家さん皆さんが感じるようで(笑) さすが、吾郎さん!ブックバラエティのMCに向いているのよねぇ、と改めて思う。

コロボックルとセイタカさんの初めての会話を、吾郎(セイタカさん)と外山さん(コロボックル)で朗読。ここで、シリーズ5となるオリジナル原稿がスタジオに。この後、ワープロに移行した佐藤さんにとって最後の手書き原稿となる貴重なもの。何気にすごいものを「ゴロデラ」はテープに収めていますよね。本好きには堪らないお宝グッズだと思います。

コロボックル・シリーズは第6巻で最後となりますが、小説家有川浩さんが後を引き継いで続編を執筆。これについては、有川さんが「ゴロデラ」に出演してくださったときにお話してくれました。(こちらのレポになります) 佐藤さんにとっては、とても名誉なことでありがたく、そしてとても面白かったと。名作を引き継いで続編を出すって勇気がいると思うのですが、ふたつ返事ですぐにお受けした有川さんは本当にコロボックル・シリーズが大好きなんですね。 

ゲストの作家さんたちは、テレビにあまり出演されない方が多く、今回の佐藤さんに関してはここ2~3年はテレビを見ていないとおっしゃられていたので緊張もあるだろうし、初対面の吾郎と何を話せばいいのだろうかと困惑もあると思うのです。そんな感じがお話が始まったすぐは伝わってくる感じなのに、途中から吾郎のほうをまっすぐ見て笑顔になっていく佐藤さん。吾郎のテンションは、頭からぐいぐい来るわけではないです。ゲストの方の波に合わせて話を進めていく。頭で考えているというよりは、そういうことが自然にできる人。だから、吾郎さんは会えば人から好かれるんだと思う。MCの技量はいろいろあるけど、吾郎のMCの魅力はこれに尽きますね。この番組、本当に全国区で展開してほしいなぁ。

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コメント

ファンタジーのリアリズムについて、吾郎さんがゴジラの事を挙げていましたが、
吾郎さんの受け答えはいつも、ピントが合っていてゲストもお話を続けやすいでしょうね。

SMAPさんは、みんな短い間に印象的な言葉をまとめるセンスがあるな、、と感じます。
コメント力があるというか。
だから、TVで成功したんですね。

この番組を見て、コロボックルの話を、実写化したら面白そう、思いました。
5人の小人さんとせいたかさん。
SMAPさんとタモリさんでどうかしら、、。
タモリさんも小人さんが見えそうだし。
SMAPさんの才能は、視聴者の想像力を刺激します。

投稿: ゆずこしょう | 2016/02/06 21:38

お久しぶりです。
お邪魔はしてるのですが、なかなかコメ残さずごめんなさい。

今回は佐藤さとるさんがゲストで、私にとっては谷川俊太郎さん以来の衝撃でした!
想像ばかりしていた子供時代、小人や魔法は私にとって大好きなお話でした。
あまりに嬉しかったので、子供にも勧めて何回も見ています。
主人は私があまりにもゴロデラを勧めるので、最近では録画を私よりも先に見ています(*^^*)
上質な番組、このまま続いてほしいです。

投稿: makoko | 2016/02/06 22:16

毎回見ての感想が「素晴らしい!」としか言えない自分の語彙力の無さが情けない。戦後の動乱期を過ごし、ご自身の感性や物の見方に拘り(良い意味での頑固)をお持ちだと思われる佐藤先生を、会話の中に引き出し、笑顔と共に収録を終わらせた吾郎さんのMC力に脱帽です。あの年齢の方は、長い間の経験から人の本質を見抜く厳しい目をお持ちです。上辺だけのコメントはすぐに見抜きます。その点、吾郎さんのコメントは的を射ていて、分かりやすく、十分に本を熟読しているからこそ、著者のコメントにも直ぐ反応が出来るのでしょうね。これって作者にとっては物凄く嬉しい事なのではと感じました。

コロボっクル・シリーズは、大人が読んでも、子供に読み聞かせてもファンタジーの中に現実の厳しさが少し挿み込まれているので、子供に読み聞かせながら自分も学ぶことの出来る秀逸の童話でした。

この佐藤さんの作品を有川さんが引き継ぐ・・・良い作品はずっと語り繋いでいって欲しいですね。子供達が夢の世界に一時でも心を馳せる事が出来たらと思うと同時に、その子供達の中から、童話を書いてみようという作家が生まれたら嬉しいですね。

穏やかだけれど心の広い、厳しさを持った大人!を佐藤先生に感じ、吾郎さん、スタッフにも懐の広さを感じた30分でした。世の中、こういう方達が増えてくれると嬉しいのですが(苦笑)

投稿: さやか | 2016/02/07 14:27

cloverゆずこしょうさん
咄嗟にゴジラの映画での矛盾点が出てくる吾郎さんに脱帽です。そして、やっぱり幼少の頃の吾郎は「男の子」が好きなものが大好きだったんだなぁというのも実感(笑) お姉さまのお友達と一緒にいるときは女の子の遊びを便乗し、一人遊びで男の子の遊びを満喫していた吾郎が、今の男性も女性をもの感性を持ち続けているのも納得です(笑) SMAPの5人はそれぞれルックスもオリジナリティがあるし、コメントもそうですよね。「YOUたち、同じこと言っちゃダメだよ」とジャニーさんに言われたことを守り通してきた結果とは言え、しっかり自分のものにできてしまうところがSMAPのプロ意識の高さでしょうか。コロボックルのお話をタモリさんとSMAPで・・・なかなかシュールな画になりそうで、スマスマコンとにもできそうですね(爆)


clovermakokoさん
コメントありがとうございます。「ゴロデラ」のゲストとして来てくださる方は、視聴者の斜め上をいくすごさですよね。後になって「よくご出演してくださったなぁ」と思うこともしばしば。スタッフの努力と吾郎さんの人柄が大きく、そして出演してみてMCの吾郎と外山さんの素直なコメントと親太朗くんの素朴さに楽しんでスタジオを後にされたのが伺えます。コロボックル・シリーズは子供の頃に読むと想像力を養える意味でも素晴らしい作品ですよね。旦那様が「ゴロデラ」を楽しんでくださっているのは嬉しいです。家族全員で安心して見れる深夜番組ですよね。貴重だと思います。


cloverさやかさん
毎回、いろんな方をゲストにお呼びして、これだけいつも自然に心温まる番組になるバラエティ番組も稀有ですよね。本を題材にする番組作りは思っている以上に難しいと思います。かなり硬派になるところを、吾郎の持っているもので面白く、且つ丁寧なものになっていると思います。スタッフのリサーチ力と企画力も申し分ないですよね。ゲストの方が、気持ちよく出演できておしゃべりにさせてしまうってすごいことだと思います。どんな方が来ても、構えずいつもどおりに進行する吾郎と外山さんのMC力はもっと評価されてもいいぐらい。そして、親太朗くんの消しゴムはんこは日に日に上達しているのも伺えてすごいなぁと感心します。親太朗くんは、でしゃばらないのがいいですね。そこが芸人さんと違うところで、吾郎に可愛がられているのもわかります(笑) 今回の佐藤先生が、だんだん笑顔になっていくのが、この番組がいかにうまく回っているのか目で見てわかる。なんとか、もっと放送地域が増えるといいですよねぇ・・・ローカル局にも、もっとリサーチ力を持つ人たちが増えてほしい。オリジナリティも番組の質も申し分ないです。地域限定放送なのがもったいないですね。

投稿: kazuyo | 2016/02/08 00:45

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