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完全犯罪をする男

ゴロウ・デラックス」、今回のゲストは人間の闇を書き続ける芥川賞作家。
吾郎 「僕も最近はですね、闇を抱えた人間を演じることが多いですね」
確かに(笑) 吾郎さん自身は、とっても澄んだ心を持っている人なのに・・・演じるとすごい嵌ってしまうすごい人だと思う。

第二百十七回課題図書 『』  中村文則著

Photo 2002年、25歳のときに新潮新人賞を受賞したデビュー作。偶然見つけた拳銃を持ち歩くうち、殺意を募らせていく主人公を描いた犯罪小説。

38歳の著者は、2005年『土の中の子供』で芥川賞受賞。カルト教団の暴走を描いた代表作『教団X』、洗脳と復讐がテーマとなっている最新作『私の消滅』など人間の中に潜む悪を書き続け、数々の文学賞を受賞。海外でも高く評価され、2014年には優れた犯罪小説に贈られるアメリカの文学賞デイビッド・グーディス賞を日本人で初受賞。

外山 「二人(吾郎と中村さん)は初対面ですか?」
中村 「一回だけ、西加奈子さんの花見で・・・」
外山 「出た!」
吾郎 「出た~(笑)」
どんだけ、吾郎さん作家さんたちと西さんのご自宅でお会いしているのでしょうか(笑)? そして、ここでも西さんが飼われている警戒心が強い猫が吾郎さんにだけ近づいたエピソードが(笑)(笑)(笑)

中村さんは、もともと本が好きだったわけではなく、高校一年のときに同じ時間に全員で教室を移動するなどの集団行動が気持ち悪くなり学校に行けなくなり、人間としてダメなんじゃないかと思ったときに太宰治の『人間失格』に出会ったのがきっかけだそう。

課題図書となっている『』を書いたときは、お金もなく追い込まれているときで、そのときのエネルギーが全部入ってしまった作品になったのだとか。この作品の前に書いた小説は、書くたびにこの作品は賞をもらえるほどの自信作と思いながら書き続けたらしいですが入賞せず、自分の作品と向きあって何が悪いか考えた結果の大傑作だったんですね。2004年には、亡くなった恋人の指をホルマリン漬けにして持ち歩く主人公を描いた『遮光』が野間文学賞を受賞。とことん、闇作品なんですね(笑)

08181mpg_20160822_163952037 作品には、自分の中でモヤモヤしたものがあとからあとから途切れずに出るらしく、それが小説のテーマになると中村さんは話しています。かと言って、見た目も話し方にも暗いところはなく、闇を描くには想像できない爽やかさ(笑) テーマが決まりかけたときに、ノート選びから始まる。作品のイメージを映し出すようなノートを選ぶところは、ちょっと女性の考え方っぽいなぁと思いました。(画像は、最新作『私の消滅』のときに選んだ創作ノート) ノートには思いついた言葉がズラリと書かれています。そこから小説を作り出していく独特な創作法。

中村 「小説を書き出すとのめり込むので、あまり覚えてない」
吾郎 「そのゾーンの感覚を読者は味わえるだね、読んだときに。体感できるんじゃない?」
中村 「そうかもしれない」
吾郎 「気持ちいいかもしれない、読む人は」

そんな中村さんが、吾郎を自分の小説に登場させるのならどんな人物像か聞いてみることに・・・

中村 「稲垣さんだと、やっぱり完全犯罪をする人ですね。直接的な殺し方じゃなくて、たとえば知り合いの方にお中元を偽名で羊羹なんかを送って、その中の一個に毒を含ませておく。受け取った人が食べるのを、稲垣さんは自分の部屋で隠しカメラで様子を見る。食べて死ななかったら、「あっ、今日はあの羊羹じゃなかったんだな・・・」って感じで毎日見てる。で、とうとうその羊羹で食べて倒れたときも表情は変わらない。ただ、稲垣さんがいつもより良いワインを取って飲むときに、「あっ、この人喜んでいるんだな」とそこでわかる(笑)」

いやぁ、すごく吾郎でイメージして設定してくれた話ですよね。吾郎って、小説のイメージにしやすいのかもしれない。吾郎さん、とても嬉しそうでした(笑)

』の中に収められた短編『』は、放火によって両親を殺害した中年娼婦が自らの半生を精神科医に告白している様子が描かれた作品。文中にはト書きなしで一人語りで展開。冒頭部分を吾郎が朗読。この映像化不可能とも言われた作品を、桃井かおりさんが監督、脚本、主演と全部こなして海外の映画賞に参加。その桃井かおりさんが、突如スタジオに登場。

吾郎 「桃井さん、原作『』を読まれて・・・」
桃井 「(隣から吾郎の顔をニコニコ笑顔で見つめながら)大人になられてheart(笑)
吾郎 「あっ・・・僕のことですか? 話聞いてますか(笑)?」
桃井 「聞いてる、聞いてる(笑)」

ロスに今住んでおられる桃井さんは、この作品のメインとなるひとり語りのシーンをご自宅で撮影。メイキングビデオが流れましたが、とっても素敵なお家。演じる段階で、脚本とはまた違った演技をしてドキュメンタリー風に撮影されたというからすごいです。中村さんは、事前に拝見した脚本とできあがってきた映画がまったく違ったので驚かれのだとか。

親太朗くんの消しゴムはんこは、お二人と映画の告知ヴァージョン(笑) 
今度は、桃井さんに中村さんが吾郎を登場人物にしてイメージしてくれた作品を映画で撮ってもらいましょうかね。「ゴロデラ」発の吾郎のお仕事、いろいろできそうだなぁ(笑)

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コメント

毎週、よくいろんなジャンルの作家さんを見つけてくるなと、スタッフの真摯な姿勢が素晴らしいですね。
それだけ、日々たくさんの本が出版されていて、売れるのも一握りなんだと思うと考えますね。
人の心には誰しも闇の部分があって、それを表現しているのだと。読んでみたい一冊になりました。
そんな本が増えていく、そして世界が広がるのもこの番組のおかげ。
確か、西さんのお花見は13人の作家さんとストスマで言っていたような。
飾らない吾郎さんだから、その先に繋がっていっているのが嬉しいですね。
きっと心の支えの一つになっているのでしょう。
さあ、感想とハガキ職人をしましょうか。

投稿: ゆっこ | 2016/08/22 20:00

wineゆっこさん
「ゴロデラ」が始まったのが2011年なので、2005年の芥川賞を受賞された中村さんは、恒例の「芥川賞、直木賞作家」企画には出演できなかったですもんね。過去受賞された作家さんをお呼びしてお話しを聞くのもいいですね。(まぁ、今回は映画の宣伝もあったとは思いますが(笑)) 世の中には、月に何冊も本が出版されるわけで、まだまだこれからも素敵なゲストの方をお呼びできそうですね。しかし、西さんチのお花見会はすごいですね~(笑) 吾郎は、毎年行くことになるのでしょうか。せっかく、本の番組を持っているので、さらに交流を広げていってほしいですね。作家さんたちの中に普通に混じるスター稲垣吾郎(笑) 吾郎さんの人柄が伺えます。

投稿: kazuyo | 2016/08/23 01:32

Kazuyoさま

お花見と猫の話、きましたね~。西さんのお家のお花見は、出席した作家の方達にとっても印象深かったのでしょう。SMAPの稲垣吾郎が普通にいる風景と、誰にも懐かない猫が吾郎さんには寄っていく風景!必ずセットで出てくる話ですものね(笑)

同じ時間にクラス全員で教室を移動する事に違和感を覚え学校に行けなくなったという中村さん。その研ぎ澄まされた感性は、常人とは違うものを高校生の頃から持っていたのでしょうね。太宰の「人間失格」に感銘し、作家の道を志した人はとても多いように思いました。それから物凄い量の本を読み、それを糧としその後、芥川賞、野間文学賞と数々の賞を受賞されるわけですが、西さんもビストロで言われていたように、普通に作家の方達と文学の話が出来る吾郎さんの知性が素晴らしいですね。常に文学論を戦わせている作家の方達からみたら、その場しのぎのコメント等通用しないでしょうから、吾郎さんが如何に作品を理解する能力に長けているのかが分かります。

吾郎さんをイメージした中村さんの作品をぜひ、映像で見てみたいものです。「火」が映画化で昨日(8/22)公開されたようで、登壇してコメントしている中村さんと桃井さんをWSで見ました。女優、監督としての桃井さんの意気込みの凄さも感じたので、ト書きの無い一人語りの作品をどう映像化したのか興味が湧きました。

異色のジャニーズと言われ続けてきた吾郎さんが、この「ゴロウ・デラックス」でゲストと対等に話し、さらに会話を広げる重要な役割りを担っていることに頭が下がる思いです。

この優れた番組が、若き文学を志す人達の指針になり、本に興味を持つ人が増え、良い作品が生まれる結果に繋がればファンも応援のし甲斐があるというものですね。

吾郎さん、ファン、作家、出版界の為にもずっと、何時までも続いて欲しい番組です。

投稿: さやか | 2016/08/23 10:38

kazuyoさん、こんばんは。人間の闇の部分って演じるの凄く難しいですよね。自分と違う人物の闇を演じるのは簡単なことではないと思います。吾郎ちゃんは、そこをうまく演じていて凄いなと思います。作家さんによって、小説を書く上での、こだわりや過程など様々で、みんな個性的なのも面白いなと思いました。私は、職業柄、人間の心の闇にも触れないといけないので、中村さんの小説は身につまされるだろうなと思います。是非、読んでみたい作家さんの一人になりました。不安がってる中村さんに「大丈夫」と声をかけてくれているお二人が優しくて、ゲストの心にいつも寄り添ってるお二人らしいなって思いました。中村さんが考えた、吾郎ちゃんを小説にするとしたらの所、凄く鮮明に映像になっていきました。私の頭の中では、映画になっています(笑)知的な完全犯罪者の役どころも見てみたくなりました。中村さんの西先生のお花見のお話、定番な面白さで、色んな作家さんと交流のある吾郎ちゃんに、今後色んな充実したお仕事がくるといいなと期待しています。ゴロデラにも出演してくださった湊かなえさんの「少女」も吾郎ちゃんがどんなふうに演じてるのか楽しみです。桃井かおりさんも途中でみえられて、吾郎ちゃんに、親戚のおばちゃんのような温かい言葉が嬉しかったです。桃井さんの「火」は、メイキングなどを見ても、桃井さんのお芝居はもちろん、監督としてのこだわりなど色々聞けたり見れたりして良かったです。吾郎ちゃんも大先輩のお話を真剣に聞いてたのが印象的でした。様々なジャンルの作家さんのお話が聞けるゴロデラ、見る度に、色々と勉強になりますhappy01知識が増えていくようで楽しいです。ホントに素敵な番組ですhappy01

投稿: りな | 2016/08/23 18:33

wineさやかさん
西さん主催のお花見会は、ある意味本の業界ではかなり豪華ですよね(笑) その中に、テレビ界でのスーパースターがちょこんと三角座りをして猫をあやしながら参加している・・・なんて、素敵な絵(笑) そりゃあ、参加された作家さんたちにとっては、かなり印象に残る出来事でしょうね。吾郎さんは、こういう世間一般の人と同じ感覚も持ち合わせているところが魅力。見た目とは違い、かなり人との交流を大事にする人ですよね。そして、その交流を長く続けていける人だと思います。表では、自分からは聞かれない限りいっさい言わないところも好きです(笑) 中村さんが書き続ける「人間の闇」。いったい、どんな方なのかと思ったら、少しシャイでいて気遣いもできる方だとお見受けしました。吾郎が、じっと「闇」について聞いているところで勝手にその心中を深読みしたりしましたけど(笑) バラエティ番組での番宣や告知ゲストは常のことですが、「ゴロデラ」ではごく自然に本の紹介から派生している形が番組の質をあげていますね。スタッフがかなり優秀で、MCお二人ととても合っている番組だと思います。是非、番組主体で吾郎さんの写真集なりドラマなりを企画してほしいと思う。うむ、お願いしてみようかな(笑)


wineりなさん
吾郎が、役者の楽しみは自分とは違う人物を演じることができるからだとよく話しています。吾郎にとって、役者とはそういうスタンスなんですね。自分にあてがきのようなキャラクターがオファーされることもあるけれど、吾郎の場合はほとんどが稲垣吾郎のパブリックイメージでのキャラクター。だから、本人にとってはそれさえも演じきっているんだと思います。見ている人に「吾郎ちゃんのまんま」と言われると、思わずしてやったりと思っているんじゃないでしょうか(笑) 中村さんが、番組での自分のコメントが浮いているんじゃないかと心配すると、吾郎も外山さんも「全然大丈夫です。面白い」と言っていて、この二人は意外とフォローの仕方も似ていると思いました。実際、中村さんのお話はとても面白かったですし。桃井さんが監督業もされるのは驚きました。邦画というよりは、アングラの洋画のような雰囲気だなぁと、少し拝見させてもらって思ったので、吾郎の好きなテイストの作品に近いのではないかと。機会があれば、是非、一緒にお仕事をしてほしいですね。

投稿: kazuyo | 2016/08/23 22:37

Kazuyo様,こんにちは。中村文則さんの作品は大好きなので、とても楽しみにしていました。思っていたよりずっと今風のお兄ちゃんでびっくり?!大好きな作家が大好きな吾郎様の番組に出ている!のをみて本当に幸せなひと時でした。実はやっと少し冷静になり、昨日久々にパソコンを開く気になりました!Kazuyo様の冷静で1ミリのブレもない優しく強いを気持ちの溢れ出た文章に感服しました。こういう時に感情的になって暴走しないのは本当にご立派です。今後ともよろしくお願い致します。なるべく通常モードで応援していきたいと思っています。吾郎ちゃんますます痩せましたよね?願わくば役作りであってほしいです…。痩せてる吾郎ちゃんは大好きなのに病気じゃないよね?と心配になったりしています。

投稿: 葵 | 2016/08/24 19:46

wine葵さん
中村さんの作品を何冊か読まれているんですね。申し訳ないことに、まだ拝読がしたことがないのですが「ゴロデラ」に出て中村さんの人となりにも興味を持ったので読んでみようと思います。そうそう、闇を描く作品ばかりを書かれているのに、中村さんご自身はとてもいまどきの文豪さんですよね(笑) 吾郎さん、痩せてますよねぇ。「ゴロデラ」ではあまり感じないのですが、「スマスマ」の歌のコーナーでの照明の陰影でそれがよくわかります。ラジオでの声には元気があるので、疲れているわけではないと思うのですが…何か役者のお仕事が入っているのなら嬉しいのですが。疲れているとか弱音を吐く人ではないので、昔、自分のマンションの扉を開けるときに鍵がうまくさせなかったという話をしたときは相当疲れているんだなと感じた記憶があります。ビストロでの「ぬ」が「ゐ」になる事件もありましたね(笑) 今、とても大変なときだと思うので身体だけは大事にしてほしいです。

投稿: kazuyo | 2016/08/24 23:30

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