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監督と役者の言い分

映画好きの監督と役者が、思わず真剣に映画について会話を交わす瞬間がとても気持ちよかった「ゴロウ・デラックス」だった。もちろん、今回ゲストで来てくださった監督は本を出されての登場です(笑)

第二百十九回課題図書 『映画を撮りながら考えたこと』  是枝裕和著

Photo 映画の撮影秘話から、映画やテレビ業界に対する批判まで監督生活20年分の思いが詰まった一冊。

是枝監督は、大学卒業後、テレビのドキュメンタリー番組を担当。福祉や公害などの社会問題から教育まで幅広いジャンルを手掛け、数多くの賞を受賞。1995年に映画の世界へ踏み込み、初監督作品である『幻の光』がヴェネツィア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞。2004年には、『誰も知らない』で、当時新人だった柳楽優弥を主役に抜擢。2013年、『そして父になる』がカンヌで日本映画としては26年振りの審査員賞を受賞。2016年には『海街diary』が日本アカデミー賞で4冠を制覇。そして、今年世界のアカデミー賞を選考する新会員候補に抜擢。

アカデミー賞の新会員候補は、是枝監督はネットで知ったというのが驚きです(笑) その後、直接メールで連絡があったそう。

監督から『海街diary』映画撮影秘話を聞きながら、実際のその部分の映像を紹介。四姉妹を演じた女優さんたちと、現場でいろいろ話しながら撮影をしていった様子がよくわかりました。この映画で一躍有名になった広瀬すずさんには「口伝え」という方法で、台本を渡さずに現場で他の役者さんたちの台詞を聞きながら全部アドリブで演技をしてもらったらしいですが、吾郎が自身も役者としての感想を雄弁に語ってくれた。

吾郎 「相手の台詞に耳を傾けないと(芝居をするのは)無理。台詞を覚えているわけじゃないから。でも、それって一番大切なことですから、お芝居で。でも、その当たり前のことがどんどんできなくなってきちゃうんですよね、お芝居って」
是枝 「そうなんですよねぇ」

役者の仕事はまったくわからない外山さんが、そんな吾郎の話を興味深く聞いている中、是枝監督も大きく頷きながら吾郎の言葉に耳を傾けていらした。役者だからわかることを、吾郎がとてもわかりやすく納得のいく話をしていることにとても嬉しそうに聞いてらした。

これ以外にも、あらゆるところで吾郎は現場での監督の気持ちを理解しているコメントで、「あぁ・・・吾郎って役者なんだなぁ」と改めてヒシヒシと感じた。きっと、吾郎は演じることが本当に大好きなんだろうなぁと。最近の映画撮影では(この秋に公開される『少女』ですね)、カメラが良いタイミングで自分のUPを撮ったときに涙がすっと流れて自信があったのに、そのシーンは背中だけで残念だったという話には監督も思わず笑ってしまう(笑)

吾郎 「これ、僕、言わないほうがいいですか?監督に(笑)」
是枝 「いや、そんなことないです」
吾郎 「ほんとに?」 (この言い方がすごく可愛いheart
是枝 「だいじょうぶです」
吾郎 「いや、でも言われたくないですよね、監督だったら」
是枝 「・・・(笑)」

是枝監督は、脚本の決定稿が出たあとでも変更が多いそうで、撮影当日に追加シーンや台詞を入れ込むのだとか。現場には台本を持っていかずに自ら作成した絵コンテだけを持って撮影。この絵コンテが実に可愛い絵で意外(笑) 漫画家さんのネームみたいですね。

アジア最大の国際映画祭である東京国際映画祭での、改善点を本の中で指摘した部分を吾郎が朗読。アジアの監督からすると、日本の物価は相当高く、滞在している間は食べるものもままならず不憫らしい。是枝監督は、映画祭の会長にその問題点を直々にレポートを提出したらしく、その後ある程度改善がされた部分が多かったのだとか。

是枝 「映画が日本に何をしてくれるのかではなく、映画が潤うために私たちに何ができるかを考えるべきである」

吾郎が言っていたように、監督は本当に映画が好きなんですね。理想論だけでなく、現実面についても書かれています。映画の興行収入というのは半分は映画館の収入になるらしく、あとの半分のうち配給会社、製作会社がほとんどとっていった後のほんの少しの純利益で監督を含む出資した人たちで分けるという、結構と作家となる監督の懐に入ってくるのは少ないという夢のない話も(笑) 好きじゃなきゃ、映画監督なんてできないということですね。

映画が好きなお二人のやりとりを拝見して、いつか是枝監督の作品に吾郎が出演できればいいなぁと思いました。

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コメント

いつもありがとうございます。
監督の方が来ると、演ずるものとして分かることがきっとたくさんあるんですね、きっと。
私たちには分からない2人の間に共通するものが。
でも、普段聞けないことがたくさん聞けて面白かったです。
本当にこの番組が長く続けばいいと。吾郎さんも勉強になりますが、私たちにも新しい世界を広げてくれる。
何があっても、吾郎さんには演じていてほしい。
特に舞台はもっとたくさん。この思いがどうかちゃんと伝わるようにと願うだけです。
いつか、監督と仕事をしているのをみたいです。

投稿: ゆっこ | 2016/09/03 13:55

Kazuyoさま

この番組だけは浮世の憂さとはかけ離れた別世界のような内容で、全て吸収したくなる程の魅力が詰まっていますね。先ず、登場なさった是枝監督の醸し出す雰囲気にやられました。温厚そうな、どっしりとした風格のある佇まい・・・作品の中に問題提起をしながら、映像はあくまでも美しい、これまでの作品を思い浮かべて再度観たくなりました。

監督の作品への拘り、「海街diary」で長澤まさみさんがぺティキュアを塗るシーンを入れたエピソード等、色々うかがう事ができて楽しかったです。監督のお話から、吾郎さんがいつも言われている「作品は監督、演出家のもの」という事がよく分かりますね。監督自らの主張を詳しく語ってくださり、主義主張がきちんと整理されて発信なさるのでとても分かりやすかったです。

吾郎さんの専門的立場からの意見は、監督と共通するものがあり、外山さんの視聴者(素人)目線での質問の答えも、見ていて納得のいく展開で、映画作りの面白さに興味深々の30分でした。
日本と海外の映画作りの違いにも吃驚しましたね。日本は興行収益の半分を映画館が持って行ってしまうとは。制作費にお金がかけられないわけだと思ったり考えさせられますね。良い作品を手掛ける監督、俳優、制作会社が潤うシステムに日本映画に携わる人達が声を上げていって欲しいと思いましたし、吾郎さんではないけれど、アーティストはそういう事は無縁で良い作品を生み出していかれる環境が整えばいいのにというのが、番組を見ての感想です。

吾郎さんが是枝監督の作品に出演される日が近いといいなぁと想いながら、監督、吾郎さんの揺るぎない持論の展開にこの番組の魅力を再確認した次第です。先週の13歳の少年山本くん、これまでのゲストに共通して言えることで、そういう人達は年齢に関係なく輝いて見えますね。

投稿: さやか | 2016/09/03 17:25

kazuyoさん、こんばんは。是枝監督と吾郎ちゃんのトークは、映画が大好きな役者と監督の議論になっていてお二人とも熱くて楽しかったです。監督は、映画の為、映画祭に来られる海外の監督の為にと色々尽力され、映画が潤うために真剣に考えてらっしゃって、吾郎ちゃんもまた、映画に出演する立場として、監督の色んな種類のやり方を聞いて自分の考えを熱く語ってるところがホントに吾郎ちゃんは「役者稲垣吾郎」なんだ、映画やお芝居を強く愛してる人なんだと言う事を再確認しました。吾郎ちゃんは、ホントに背中で泣いている演技をしていたんだろうなって思い、早く映画が見たくなりました。映画業界のお金事情や今までわからなかった裏事情なども分かって「そういうことなんだ」って思いました。後、監督の絵コンテ可愛かったですよね(笑)手に取ってゆっくりみたいくらい可愛いなって思いながら見てましたhappy01ちょこっと「少女」が流れましたが、吾郎ちゃんかっこいいheart04あのシーン自転車で走っていく背中がなにか語り掛けてるみたいで、さすがって思いました。ホント楽しみsign03是枝監督の作品の世界観が私は好きで、是非吾郎ちゃんとお仕事してほしいですhappy01シーンが増えていくのが面白いと目を輝かせてた吾郎ちゃんが印象に残りましたhappy01これからも沢山の映画や監督や役柄に出会ってほしいし私も色んな顔の吾郎ちゃんに会うのが楽しみです。

投稿: りな | 2016/09/03 18:51

movieゆっこさん
役者として語るときの吾郎はすごく好き。そこには、アイドルとしてのトップスターの顔も、ほんわかと柔らかい顔もない。「稲垣吾郎」という役者の顔を見せるときの吾郎はとても男前だと思っています(笑) 毎年、必ず舞台には立ってくれる吾郎。今回のことで、来年から個人の仕事がどうなっていくか見えないのですが、いままでと変わらずにやりたいことがやっていけるといいですよね。そして、また舞台でファンの前に立ってほしい。ライブが当分は見れないのは確実なので、舞台で見せてもらえる生の吾郎はとても大事。グループ活動がなくなるのなら、個人の仕事が多くならなければ困るわけで、映画も今よりもっと出演してほしいと思います。


movieさやかさん
是枝監督がお話しされているところを拝見したことがなかったので、こういう方なんだ~と思い良い意味で裏切られました(笑) もっと、寡黙で怖い感じの方だと勝手に思っていた(笑) 吾郎と楽しそうに映画のお話をされていて、自分の確固たる映画への信念があるとお見受けしました。吾郎は、そういう方は好きだと思うので、きっともっと話し込んだらいろんな話ができるでしょうね。柳楽くんが出演した『誰も知らない』は見たいと思っているのですが、今回の是枝監督の番組出演で必ず拝見しようと思いました。そう言えば、吾郎はこの柳楽くんを「中性的で美しい少年」と言っていましたね。いまでは、しっかり演技もできる大人の俳優さんで、是枝監督とのお仕事も期待したいですが、ひそかに柳楽くんとの共演も吾郎さんにはしてほしいと願っている一人です(笑) 日本映画の興行収入のお話は、監督が「生々しい話ですが・・・」とおっしゃっていましたが、とても興味深く拝聴しました。半分も映画館がもっていくというのは驚きです。それならば、もう少し上映期間とか大ヒット作だけでなく考えてほしいですよね(笑) 課題図書だけでなく、ゲストで来られた方をよりよく知ることができるとても良い番組ですよね。全国放送にならないのが、本当に不思議。


movieりなさん
吾郎の映画レビューは、もうかなりの人が知っていて良いコメントをするというのも知れ渡っていますが、吾郎はもともと人との交流の術を身につけている人なので対談もとてもいいんですよね。どこかの雑誌で連載とか企画してほしいわぁ。今月発売される本の雑誌「ダ・ヴィンチ」では、映画『少女』の原作者である湊かなえさんとの対談が掲載されますが、この雑誌「本」の雑誌なんですよね。でも、いろんなことが記事になっていて、アプローチがとても「ゴロデラ」と似ていると思うんです。この雑誌での吾郎の連載がほしい! 今月、「ダ・ヴィンチ」を購入されたら、是非、その辺のところを皆さんに要望出してくださるようお願いしたいです(笑) 映画は秋公開。主演ではないけれど、とても重要なキャラクターを演じている吾郎。楽しみですよね。

投稿: kazuyo | 2016/09/04 14:37

Kazuyo様,こんにちは。この番組は色々と憂鬱になる状況をしばし忘れさせてくれる桃源郷になっています。全国放送になってほしいです。毎回ゲストがこの人どんな人なのかなーと私が興味を持っている人のおひとりであることが多いのもすごく嬉しいです。吾郎さんが何気なく言う一言に共感したりドキッとさせられたり…も楽しみです。昨日文房具屋さんに行ってボールペンや消しゴムを真剣に見てしまいました。本当は私も吾郎さんご愛用の高価なボールペンが欲しいよ!今まで以上に映画や舞台での活躍を期待し、応援あるのみ!と思います。心身ともに健康でこの大変な時を乗り切って欲しい…。

投稿: 葵 | 2016/09/04 15:17

是枝監督がお越しになったゴロデラ。映画監督さんや演出家の方がお見えになると作家の方とは違う意味でとても興味深く拝見してしまいます。演者の吾郎ちゃんが拝見できるのが理由なのですが、今回もとても興味深いお話だったのですね。話題の作品が多い是枝監督はTVのドキュメントを作られてきた方なのですね。作品が現代の問題を扱ったものが多いのに納得しました。吾郎ちゃんと是枝監督の俳優と監督の立場での会話は楽しみにしてます。「少女」のアップでの涙のシーン、渾身のシーン拝見したかったですね。監督さんにどうしてアップの涙ではなくて後ろ姿にされたのかお聞きしたいですね。でも監督さんの気持ちも解らなくはないですね。舞台「ぼっちゃま」のシーンで浮気をした奥さんを平手で叩いたあとの怒りと悲しみでいっぱいの主人公の後姿が素晴らしかったのが未だに忘れられません。

投稿: ピカチュウ | 2016/09/05 00:32

movie葵さん
本当に、最近の諸々をいっときでも忘れさせてくれて癒されますよね。こんなときでも、吾郎は連載を持っている映画レビューのために映画を見て、課題図書の本を読んでとものすごい集中力でお仕事をこなしているんだなぁと。そんなお仕事も、楽しくこなしてくれているのが本当に嬉しいです。吾郎さんご愛用のデルタのボールペン。思わず桁を数え直してしまうぐらいですが(笑)、いいものはずっと使えるし、使いやすいんでしょうね。お手紙をちゃんと直筆で舞台の共演者の方に書いている吾郎。自分の字があまりお好きではないみたいですが、とても読みやすくてなかなか良い字ですよね。最近は、パソコンで打つばかりでお手紙を書くことはすくなくなっているので、実は吾郎さんの舞台でお手紙を書くときぐらい(笑) このときのためだけに、ボールペン字を習いたいこの頃です(笑)


movieピカチュウさん
「ゴロデラ」では、吾郎はゲストの方へのコメントも真向いの外山さんのほうを見て話すことが多くて、それが実はとても気になっています。いつも話し相手の方の目をしっかり見て話す人なのに、外山さんのことを置き去りにしないように気を遣っているからかもしれないけど、ここは実は直してほしい。今回は、是枝監督のほうを見て話すことが多く、やはり自分が伝えたいことは毎回しっかり相手の顔を見て話しているんですよね。その辺は、自分で意識してそうしているのかもしれない・・・とも思いました。舞台「ぼっちゃま」での背中での怒りの演技は、私もとてもよく覚えています。斜め前方の席からそんな吾郎の表情が見えて、観客から見えないところでもしっかり表情でも演技している吾郎に鳥肌が立ったので。だから、背中で語れる人なんですね。監督が吾郎の後ろ姿を撮りたかったのもわかります(笑)

投稿: kazuyo | 2016/09/06 00:07

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