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昭和最大の未解決事件

ゴロウ・デラックス (2017年6月8日放送分)

ゲスト:塩田武士

今回のゲストも、本格的なテレビ出演が初めてということでありがたいですねぇ。出版業界での「ゴロデラ」の認知度は、思っている以上にすごいような気がする(笑) あとは、もっと放送地域が広がってくれるだけ!

塩田 「ラジオは結構出させてもらっているんでけど、テレビは初めてで・・・(スタジオの)人数がすごいんだなぁって(笑)」
吾郎 「すごい少ないですよ!」

他の番組に比べたら少ないのかな。そこが、「ゴロデラ」がアットホームでいいところなわけです(笑)

第二百五十二回課題図書 『罪の声』 塩田武士著

Photo 昭和最大の未解決事件「グリコ・森永事件」を題材に、事件の全貌をフィクションで推理する社会派ミステリー。テーラーを営む曽根俊也と新聞社に勤める阿久津英士の二人を軸に動き出す物語。

神戸新聞の記者の傍ら小説を書き続け、2010年にプロ棋士を目指す男を描いた『盤上のアルファ』が、小説現代長編新人賞を受賞し作家デビュー。2016年に出版した、『罪の声』が一年間でもっとも面白い小説と評価された小説に贈られる山田風太郎賞を受賞。さらに本屋大賞3位に選出され16万部を突破。

2000年に時効を迎えた「グリコ・森永事件」を題材にした理由は、大学時代にこの事件に関する本を読んだときに、子どもの声が録音されたものが脅迫に利用されていたと知り、自分と同じぐらいの年で同じ関西に生まれ育っていると思うと鳥肌が立ち小説を書きたいと思ったのだそう。

デビューしたときにこの話を編集者に話したところ、今の筆力では書けないが講談社のネタとして黙っていてほしいと頼まれ長い間寝かしておいた構想。2015年に当時の担当編集者から、「そろそろ書きませんか」と言われたときには、失敗が怖くて断ってしまったという経緯があり、講談社全面バックアップを条件に書き始めたという裏話が・・・ひとつの小説ができあがるのに、いろんな想いとタイミングが重なって世に送り出されるものなんですね。

衝撃のプロローグを吾郎が朗読。曽根が父の遺品から黒革ノートとカセットテープを見つけるこのシーンは、実際の事件で警察が記者に公開したテープをもとにしている。自分の家族が、事件に関係していたのではないかという疑惑と不安。冒頭から読者を引き付ける文章になっています。曽根の職業をテーラーにしたのは、静かに仕事をこなす中でいきなり非日常的な事件に突き落とされる静と動の落差を描きたくて職人の職業を選んだという塩田さん。一方の新聞記者の阿久津は、自身の職業が反映されています。

主人公を二人にした理由は、未解決事件だから「未来」が描けると思い、追う者、追われる者を登場させることに。山田風太郎賞の選考委員である京極夏彦さんが、本作を「ノンフィクションとフィクションの境目がわからないところが絶妙」と絶賛されるように、とてもうまく書かれた内容のよう。これは、是非、読んでみたいですね。

スタジオに実際に参考にした資料をスーツケースいっぱいに詰めて持ってきてくださった塩田さん。その中には、警察からコピーさせてもらった捜査資料も入っているというから驚き。ノンフィクションとは言え、実際にあった事件をなぞって書いている以上、膨大な取材量を必要としたと思うと気が遠くなります(汗) さすが、元新聞記者ですね。

今回、「ゴロデラ」に出演するにあたって、塩田さんから吾郎さんへのお願いが。それは、関西弁を完璧に話して朗読してもらうこと(笑) これは、難関! 過去、吾郎の番組「楽語びより」でも、関西弁の朗読はとても苦労していたので。
塩田 「完璧な関西弁じゃないと、その当時に帰れないですから」
吾郎 「そうですよね(笑)」
外山 「大丈夫ですか(笑)? 完璧なですよ?」
吾郎 「大丈夫ですよ。当たり前じゃないですか。プロですから、こっちは」

頑張ったよ、吾郎。頑張った(笑) 関西のアクセントは難しいよね。今後、関西弁での役が来たときに頑張ろうという吾郎ですが、まず、吾郎にそんな役来ないよね(笑)(笑)(笑) 

記者と作家の二足のわらじを履くことを寛大に了承してくれた上司から、受賞記事を自分で書かされた塩田さん(笑) 今は、専業作家で思う存分と専念できているんでしょうね。

「グリコ・森永事件」は衝撃的だったのでよく覚えていますが、自分の子どもの声を使って脅迫テープを流していたとか知らなかった。時効になった事件ですが、その子どもは自分の声が使われたことを知ったのだろうか。そして、今、どうしているんだろう。彼もまた犠牲者の一人ですよね。

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コメント

Kazuyoさま

「罪の声」・・実際にあった事件を史実に基づいて書かれたフィクション作品。冒頭の吾郎さんの朗読で一気に引き込まれました。記憶をたどっていくと確か誘拐や、身代金要求、毒入りお菓子やら何か凄い事件だったことが蘇ってきました。そうそう、子供の声!原稿を読まされているようなたどたどしい読み方で、小学校低学年の男の子の声ではないかと言われていたのも思い出し、小説の中では成長して職人になっているという設定に何かとても複雑な心境になりました。事件は33年~34年前くらいに起こったことで、その時の少年は現在30代後半から40代でしょうか。

膨大な資料と編集者の厳しいチェックは、フィクションであってもノンフィクションの部分が多く、事件の当事者や事件を覚えている人に納得してもらえる内容でないといけないという心理が働いたのでしょう。塩田さんと編集者の並々ならぬ覚悟と作品に対する情熱が伺えました。

「罪の声」という少し重い感じとは裏腹に作者の塩田さんは終始笑顔で明るく、饒舌に作品の出来上がるまでを語ってくださいましたね。年齢がお若いのにびっくりしましたが、テレビ初出演ということなのに滑らかな語り口と話題豊富な面白さに、関西人で新聞記者だからなのかと感心しました。吾郎さんと外山さんは実に聞き上手ですよね。

またまた読んでみたい本が増えました。きっとその当時の時代考証と共に楽しめるのではないかと思いますが、この事件に関与した多くの人々がいて、未解決の事を思うと、心して読んでみようと思っています。

投稿: さやか | 2017/06/13 13:56

今回は、本当の事件を元に書かれている小説。
確かに大事件だった事は覚えているけど、身代金要求に子供の声だったのは覚えていない。
自分の声だと分かったらその子供はどんな気持ちになるのだろうか。
プロローグの吾郎さんの朗読を聞いただけで引き込まれて本を購入しちゃいました。
さすが、記者だけあって、観察力と読解力が凄いですね。警察の資料を初めて見た吾郎さんは何を感じたのだろうと。
関西弁は特に難しいですね。吾郎さんはその気になったら出来るのかなあ。見てみたい気も・・・
最近、親太朗君の「今日はハンコの日」の報告が無いから収録しているのだろうかとふと心配になってしまうのです。
7月からも続くのかなと・・・
「恋と音楽FINAL」の大阪初日を観て、何があっても吾郎さんは大丈夫だと強く思いましたが。
いけません、更なる笑顔で過ごすべしですね。

投稿: ゆっこ | 2017/06/13 14:02

cakeさやかさん
京極さんが言われるように、「いったい、どこまでがノンフィクションなのだろうか?!」と番組を見ているだけで良い意味でわからなくなってしまいました。吾郎も確認していましたよね(笑)? 実際に起こった事件を、うまくミステリーとして作品に仕上げているように感じますが、これはやっぱり読んでみないと!と思いました。歴史小説が好きなのですが、ここまでうまく書かれているのなら手に取って読んでみたいと思いました。いやぁ、番組が本当にうまくできていますね(笑) しかし、吾郎も感心していましたが、この作品を書くにあたっての取材はものすごく大変だったのではないかと思いました。もともと、新聞記者だったという塩田さんならではですよね。「グリコ・森永事件」をもとにした小説を書きたいと思い立ってから、想いが強すぎて失敗をしたくないという思いが交差して、作品にしあげるまでに紆余曲折があったようですが、何度も校正を積み重ねて世に出た本が多くの人の共感を得たのは納得です。塩田さんがFacebookで、関西では番組の放送がないのを嘆かれていました。MBSさん、なんとかしてほしいですね(笑) 塩田さんは、実際に吾郎さんと対面して、「当然ですが、吾郎さん、めちゃくちゃかっこよかったです!記者時代に数多くの芸能取材をしてきましたが、ほんと見たことないぐらい端正なお顔立ちでした。」とコメントしてくださったのは、素直に嬉しかったです(笑)


cakeゆっこさん
私も覚えてないんですよねぇ。とんでもなく危険な事件が起きたというのは認識していたのですが、なんでそこまでの詳細を覚えていないのか・・・覚えていないのか、当時から詳細はよく聞いていなかったのか。吾郎や外山さん、塩田さんが言っていたように、事件が起こってからお菓子を食べるのが当分怖かったのはよく覚えているのですが(笑) 録音された声の子どもは、この小説のように自分の声だと認識したときがあったのだろうか、とか考えるとゾッとしますよね。子どもに罪はないから、できるなら一生知らずにいてほしいと思ってしまう。もし、この事件が解決されていて、犯人が逮捕ということになっていたら、その子どもは親に利用されえたことを一生引きずって生きていかなければいけない。番組を見たあとに、気になって少しこの事件を調べてみたら、あらゆる推測があって闇が深い。事実は究明すべきだけど、明かされたくない人は犯人だけじゃないかもしれない・・・そう思うと、怖いですね(汗) 番組の続行は、吾郎さんがどうするかでも左右されるでしょうか。もう、ひたすら応援するだけなんですが。

投稿: kazuyo | 2017/06/14 02:42

kazuyoさん、こんにちは。「グリコ・森永事件」は、私の生まれる前の事件ですが、未解決事件として番組等でも取り上げられているので知ってます。「キツネ目の男」の似顔絵が不気味でその印象も強いです。塩田さんも仰ってましたが、子供の声を勝手に利用して、その子と塩田さんが同じ郷里ですれ違ってたかもしれないという感覚、同じ年頃だったら気持ちわかる気がします。その子は今、どんな大人になってどんな生活してるんだろう。自分の声が勝手に使われてどんな気持ちだったんだろう。とか色々考えました。kazuyoさんが仰るようにその子も犠牲者の一人ですよね。塩田さんは、関西の方だけあって、堅苦しい感じではなく、時折ユーモアなトークも加えて面白かったです。朗読を聞いただけで、凄い後の内容が気になりました。これは嵌りそうです。吾郎ちゃんに完璧な関西弁をふるところも面白かったです(笑)吾郎ちゃん、「鬼デスク」の役なんだけど、声が優しくて怖くない(笑)でもちゃんと頑張ってるのが可愛かったです。今回、塩田さんの執念が凄いなと思いました。この事件に関わった多くの方達の為にも、心して読もうと思いました。

投稿: りな | 2017/06/14 16:35

cakeりなさん
そうか・・・生まれる前の事件なんですね(笑) だったら、細かいところはまったくわからないですよね。犯人と思われる似顔絵まで出たのに未解決になってしまった事件。殺傷事件にはならなかったけど、かなり悪質な事件です。江崎グリコの社長が拉致されて犯人と接触したのに、犯人が捕まらなかった・・・不思議ですよね。子どもの声を利用したり、かなり頭のいい人間だったのでしょうか。塩田さんの渾身の取材で書かれた今回の課題図書が、どこまでこの事件を照らし合わせて書かれているのか興味があります。関西弁って、他の地方のアクセントより難しいんですかね。ドラマや映画でも、関西出身ではない方が完璧に関西弁を話しているのを聞いたことがない(笑) 語尾ばかり気になって、アクセントがうまくつかめないんですかね。こればかりは、関西出身の者としては難しさがわからないんですが(笑) 吾郎ならどこまで近づけてくれるのか、聞いてみたい気がします(笑)

投稿: kazuyo | 2017/06/14 23:35

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