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孤独は寂しいものじゃない

ゴロウ・デラックス (2017年7月6日放送分)

ゲスト:家田荘子

1986年、極道の世界に生きる女性に焦点を当てた『極道の妻たち』を出版すると、何度も映画化され興行総収入70億円の大ヒットを記録。ノンフィクション作家として、その名を知らしめた。その後もエイズ患者や、女子刑務所への取材など社会に一石を投じる作品を精力的に書き続けている。

そんな家田さんとは、吾郎はTBSの吾郎の深夜番組「MFL(マイフェアレディ)」(2009年4月29日放送)で共演済み。このときのロケ覚えています。歌舞伎町のディープな場所を家田さんに案内してもらうという企画だったのですが、この頃からロケ企画はとても優秀だった。

家田さんの代表作品を順に辿ってみます。

1982年、まだ20代のときに取材記者としてスカウトされてノンフィクション作家になった家田さんですが、女優出演した映画作品をプロダクションがついていなかったので自分で売り込みに行った先のことだったらしく、何がきっかけになるかわからないもんですね。若い女性が選ぶ題材でない風俗ルポなどを書き続け、1986年に『極道の妻たち』を出版。これを書かれたのは、まだ20代前半というから吾郎も外山さんも驚きです。それも、取材期間1年8か月の間に暴力団幹部に直談判して自宅に住みこませてもらったというから、さらにびっくり。

暴力団抗争が盛んな頃で、ストレスで白髪になったり頭髪が抜けたりと大変だったようです。それでも取材をやめなかったのは、「愛した男が、たまたま極道だった」という話を聞いたときに、この言葉を世に出したいという強い想いで続けたという、とてつもない根性のある女性です。果たして、20代でそこまでできる女性は何人いるだろうか。すごいですね・・・。

1991年(30代)に、エイズ患者の女性をアメリカで取材して書いた『私を抱いてそしてキスして』が、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。日本ではまだまだエイズに対しての偏見が強く、正しい知識を日本に伝えたかったという家田さん。取材する人の心の中に入っていかなくてはいけないので一人で取材をされるそうですが、信頼関係を築くまでが大変なことは想像できます。仕事とは言え、他人に向き合って心を開いてもらうって、友達になるより難しいですよね。

1998年(40代)には、『三浦和義からの手紙~「ロス疑惑」心の検証~』を出版。この題材を書こうと思ったのは、三浦さんがどういう人なのかという疑問から。ご自分の弁護士さんを通してコンタクトを取り4年間やりとりをする。この題材は作品にはされていないということですが、出版されたのはあくまで手紙のやりとりであって取材内容を書かれたわけではないのかな? 手紙の中で、「この言葉さえなければ」という箇所があり、書けないことがあるのであれば書かないと決めたとのこと。このお話を聞いて、「言えないことがあるなら何も言わない」という信念を持つ吾郎は共感できたのではないかと思いました。

家田さんは、作家だけでなく僧侶でもあります。「得度」のあと、「修行」をして「伝法灌頂(でんぽうかんちょう)」という儀式を受けて僧侶資格を得たのが2007年。僧侶になっても、ノンフィクションの目の付けるところは変わっていないそう。

第二百五十六回課題図書 『孤独という名の生き方~ひとりの時間 ひとりの喜び~』 家田荘子著

Photo 孤独とうまく付き合えない現代人に対し、孤独との向き合い方を指南する一冊。
「孤独」というのは社会生活を拒否しているわけでもないし、人と一緒に過ごすことから離れているわけでもない。社会生活をちゃんとしているからこそ、自分の時間を大切にできるということ。

孤独に着目したのは、現在65歳になって一週間誰とも喋らないという環境の人が増えている。自分が何をしたいか、自分を見つめて考えて一歩前に出なければいけないと伝えたくて書かれたようです。昨今のSNSにも注目されていて、周りと浅くでも繋がっていないと不安になり無理して繋がろうとしている人もいると。

吾郎がネットを見ないようにしているけど、誹謗中傷が多いというのは認識しているからSNSはうまく活用しないといけないですよねという言葉に全面同意です。

吾郎の「孤独」に関する呟き
「朝ご飯とか、ちょっとひとり寂しくない? 朝って、食卓家族でしてたイメージが強いから」
「近所の公園散歩するときぐらいは、ちょっと話し相手がいてもいいかなぁってたまに思う」
さらに・・・
吾郎 「たとえカップルであっても、僕の場合、散歩はできないんですよ。お忍び旅行とかお忍びレストランとかはあってもお忍び散歩ってないじゃん」
家田 「お忍び旅行、行かれるんですか(笑)?」
吾郎 「お忍び旅行は(笑)・・・最近は行ってないですけどね。以前はもちろん行ったことはありますけども(笑)」
家田 「どういう所、行かれるんですか(笑)?」
吾郎 「お忍び旅行・・・取材うまいですね(笑)」

家田さんのうまい誘導に、もう少しで場所まで言いそうになった吾郎(笑) いや、これを言っちゃうと私の中で何かが結びつく(爆) いえ、なんでもありません(笑)(笑)(笑)

今回は、作品が取り上げているテーマは重いけど、とてもわかりやすく番組として伝えられていて、ゲストと明るくトークが進むのは相変わらず優秀。その中で、吾郎がとても真剣な表情を何度か見せていたのがとても印象的でした。吾郎の番組への取り組み方がとても好きです。今回も、拍手ものでしたね。

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コメント

Kazuyoさま

毎回思うのですが、「ゴロウ・デラックス」の企画、構成、編集力は秀逸でですね。ゲストの言葉に新たな知識や多様な物の考え方を得る事が出来ます。今回もそうでした。

家田さんの取材力の凄さに驚きました。「極道の妻」が20代だったとは凄いですよね。実体験しているからこその迫力と読者を納得させる魅力があるのでしょう。最近の新聞や週刊誌のように本当に取材している?と思わせる記事の多い中、家田さんのような方は貴重な存在だと思いました。それだけに番組内で発せられた言葉はどれも心を打つもので、優しい話し方のなかにも一本筋の通った揺るぎの無い強さを感じました。

孤独とどう向き合うか・・・良いテーマでしたね。若い時は忙しく時間が足りない毎日で、職場でも家庭でも誰かが傍にいて一人になりたい時が多々ありました。年を重ね、職場を去り、家庭でも夫々が独立し巣立って行くと、毎日が休日状態で時間は十分過ぎるくらいある。友人とのお喋りや旅行等々、今までゆっくり出来なかった事は思う存分出来るようになるのですが、自分の都合が良いようには事は運びません(笑)そこで一人でも有り余った時間をどう過ごすかが課題になってきますよね。誰に依存することなく一人遊びを見つけ楽しむ。孤独と思わず、それこそ誰に気兼ねすることなく、自由に気ままに出来る事が素晴らしい。

吾郎さんも外山さんも一人の時間を上手く使っていそうですよね。ネットの酷さも話題になっていましたが、外山さんが朗読した部分、「誰に何を言われようと、その人達は私の人生を背負ってくれるわけではありません。人それぞれの人生に答えも正解も一つもありません。」本当にそうですよね。勝手に記事にしたり、勝手に言い放って誰も責任を取らない世の中ですものね。

家田さんのお話に共感し、とても得ることの多い内容でした。吾郎さんは吾郎さんらしくそのままで、ご自身の納得できる仕事に邁進し、お忍び旅行、お忍び散歩を楽しんで欲しいと思いました(笑)

投稿: さやか | 2017/07/10 07:30

今週は、考えさせられました。家田さんの潜入取材からいろんな本が生まれたとは知っていましたが、
まだ当時はよく分からなかったですが、今思うと凄い事を実体験として経験していたんですね。
しかし、「孤独」っていつもネガティブに扱われるから少しいやな感じがしますね。
確かにどうしても先の事を考えてしまって不安になってしまう事は結構あります。
ただ、それを楽しむって凄く大切な事だと改めて思いました。
それには自分を確立しないと孤独に押しつぶされてしまいそうですね。
吾郎さんは、どんな気持ちで聞いていたのかと。きっと彼もよく分かっていて自分の道は自分で切り開いて行くんだろうなと。
これからどんな新しい事が出来るのかと思うと少しワクワクします。

投稿: ゆっこ | 2017/07/10 11:12

houseさやかさん
いつにも増して、30分間の番組で内容がギッシリ詰まっていたので、番組の編集はとても優秀なのにいたらないレポになってしまって恐縮です(汗)いつもコメントありがとうございます。正直、「MFL」に出演されたときの家田さんは金髪で、どこか突拍子もない印象も受けたのですが、今回はご自分のお仕事のことをたくさん話して頂いて、さすが大ヒット作品を送り出すノンフィクション作家と言われるだけのことはあると思いました。今回も、吾郎がとても聞き上手で、家田さんのコメントの合間に何度も「うん、うん」と相槌を打っていて、これは話している側は語りたくなるだろうなぁと思って見ていました(笑) 人間、誰しも最後にはひとりこの世を去っていくと思っているのですが、孤独と言ってもその生き方で違ってきますよね。二人でいようが、家族といようが孤独で寂しい人はたくさんいる。だけど、ひとりで生きていても充実した生き方をしている人も大勢いらっしゃるんですよね。ようは自分の生き方だという家田さんの考え方には納得しました。やはり、何かひとつでもいいから没頭できる趣味があると違うのではないかと。まぁ、私たちの場合は、「稲垣吾郎」という素晴らしい人に没頭できるのが幸せなことなのかもしれません(笑) 「誰に何を言われようと、その人達は私の人生を背負ってくれるわけではありません。人それぞれの人生に答えも正解も一つもありません。」 朗読のこの部分は、私も吾郎の顔が映し出されたときの表情に、胸がきゅっとなりました。なんだか、吾郎の決意を言われているようで・・・もともと、他人の意見に惑わされたりする人ではないので、自分の信念でもってやりたいことをやっていってほしいですね。


houseゆっこさん
家田さんの書く作品は、危ない目に会いそうになっても全うした取材の賜物なんですね。ノンフィクションなので、自分の考えはあっても事実を書くことが一番大事だと思うのですが、どれだけ意見を入れ込むのがいいのか難しいでしょうね。なるべく、読んでくれる人に先入観や偏見を持たずに読んでもらうには、事実だけを述べることが大切だとは思うのですが、自分の出すものに何も語らないのでは意味がないですし・・・題材によっては、圧力をかけられたという話を聞いて、本当に大変なお仕事なんだなぁと思いました。一度、家田さんにジャニーズ事務所の取材レポを書いてほしいですよね(笑) まぁ、事務所が取材を受け入れるとは思わないですが(爆) 暴露本と取材記事は違う。家田さんのようなルポライターの人たちが、日本のあらゆる事柄に今後もメスを入れていってほしいと思いました。意外と、吾郎も向いているかもしれないとは思いましたけど(笑)

投稿: kazuyo | 2017/07/11 00:04

kazuyoさん、おはようございます。家田さんは「マイフェアレディ」のロケが凄く印象に残ってます。当時の映像も流れて嬉しかったです。家田さんの若干20代での命がけの住み込み、真実や裏側をちゃんと取材する姿勢は真似できるものではありませんよね。私は、今まで「孤独」に対して、マイナスのイメージを持っていましたが、家田さんのお話を聞いて、自分らしく生きることの大切さ、自分との時間も大事にと言う事を強く考えさせられました。「孤独とは自分でつかんでいくもの」、「人は何回でも花を咲かせられる」この言葉で心が楽になりました。これからはもっと「孤独」と向き合える人間になりたいです。SNSは、マナーを守ったら、とても楽しいものだと思いますが、誹謗中傷などネットいじめも今大きな問題になってます。家田さんの繋がってるようで繋がってないという言葉に改めて納得させられました。重い内容でしたが、家田さんの質問に吾郎ちゃんがついお忍びの場所を言いそうになったり、外山さんと笑いあってる吾郎ちゃんが素敵でした。最後の熟年婚活も素敵ですよね。いつまでも恋を忘れないって素晴らしいです。重いだけじゃなく、ちゃんと明るい話題も入れて明るく進行するところは、進行する吾郎ちゃんの話し方が安心して見てられます。今回、人生についても色々学びました。

投稿: りな | 2017/07/11 10:30

houseりなさん
一人でいることを重要視せず、いかに人生楽しんでいるかで「孤独」の概念を覆してみせる家田さんはすごいですね。思わず、吾郎さん同様にいろいろ納得してしまいました(笑) 人に気を遣わなくてはいけないぐらいなら、ひとりで過ごす時間があってもいいというのは同意です。無理に誰かに合わせたりするのってしんどいですもんね。ワイワイと話すのなら、気心しれた人たちと同じことで盛り上がれるのなら人との交流もとても大事だとは思います。つまりは、いかに自分が楽しんでいるかというのがポイントですね。家田さんが、結婚に関してもとてもオープンなのも驚きました。いくつになって「恋」をするのはいいですよね。吾郎が結婚には躊躇するのなら、せめて大切なパートナーは見つけてほしいなぁと思います。(すでに、そういう大事な方はいるのかもしれませんが(笑)) 多くの友人たちと交流する時間も、一人でゆっくり好きなことをする時間も、人生の中ではどちらも大事ですよね。

投稿: kazuyo | 2017/07/12 01:20

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