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第157回芥川賞受賞作品 『影裏』

ゴロウ・デラックス (2017年10月5日放送分)

ゲスト:沼田真佑

番組恒例の芥川賞受賞作家をお招きした今回の「ゴロデラ」。いつものように、オープニングで吾郎から沼田さんに花束が贈られます。ある意味、とても作家さんらしい物静かでシャイな沼田さん。これは、MCのお二人の腕の見せどころですね(笑)

沼田さんからお話を聞く前に、いままで番組に来てくださった芥川賞・直木賞を受賞された作家さんたちのダイジェストが少し流れます。こうやって見ると、なかなかに濃いキャラクターの方たちが多いですね(笑)

デビュー作で芥川賞を受賞された沼田さん。まさに彗星のごとく文豪界の仲間入り。受賞した報告は、編集者の方から聞いたそうですが・・・実は、本人に直接電話があったのに受賞するとは思わず携帯電話を鞄の中に入れていて気づかなかったというエピソード(笑) そして沼田さんも、授賞式は普段着で参加(笑) 

第二百六十八回課題図書 『影裏』 沼田真佑著 (第157回芥川賞受賞作)

Photo 首都圏から岩手県へ転勤した三十代の会社員、今野。同僚で釣り好きの日浅と知り合い友情を育むが、日浅の転職をきっかけに疎遠。そうした中、東日本大震災が起こり、営業で釜石にいた日浅が被災したかもしれないと知る。

『影裏』を読み解くためのキーワード
1. 描写力
岩手在住の沼田さんが、実際に見て感じる岩手の自然を描く筆力。VTRで沼田さん自身が、作品に投影された里川となる「生出川」にスタッフを連れて行ってくれます。自然の穏やかな川。作品に描かれている景色のままと吾郎も外山さんも話しています。

2. マイノリティ
作中に、セクシャル・マイノリティが恋愛や性愛を通さずに書かれている。主人公今野の元恋人で性同一性障害を抱える副島和哉が、SRS(性別適合手術)を受け女性として登場する。
作品に入れ込んだ理由は、沼田さんがそういった方たちと友達になったことがあり、大変だろうなぁという想いからすくいとりたいと思った。それが、文学のひとつの役割だと思うと話されていて、しっかりした想いがあってのことなんですね。

沼田 「ある程度、(小説の)大枠は決めるんですけど、そこから自然とそれていくんですね。「小さくまとまるなよ」という呼びかけが聴こえてきて、失敗を覚悟でそっちのほうへ行ってみるんですね」
吾郎 「そのコントロールができなくなったときっていうのが、一番いいパフォーマンスができますよね」
沼田 「あぁ、そうですよね」

沼田さんの考えも素晴らしいと思いますが、それを聞いてすぐにこういったコメントが出てくる吾郎の感性にすごいなぁと思いました。

3. 東台日本大震災
震災を全面に押し出したわけではなく、人間関係を描くことでそれを取り囲む自然の怖さを言及している。
この作品は、2010年~2011年の話を描いたので、あの時代の人や社会を書けばおのずと震災のにおいがしてきて書いた。時代が先だったというお話。

影裏』というタイトルは、作中に出てくる70代の方が毛筆で書いた字を自分の部屋に飾っていて、その中のひとつの語という印象でつけられたそう。なにごとも、偶然のものが集まってできた作品なんですね。

そんな沼田さんは、岩手での初めての芥川賞受賞作家ということで、地元でサイン会が催されました。VTRには、たくさんの方が参加してとても嬉しそうに沼田さんとひと言お話されている様子が。
吾郎 「嬉しいんですね、岩手の方」
外山 「ほんとですよ、岩手県民として誇りに思うって」
吾郎 「そっとしておいてほしいタイプの方なのにね」
沼田 「ほんとに、ほんとにそうなんです(苦笑)」
吾郎 「しょうがないですよ。だって、芥川賞とっちゃったんだもん!
沼田 「はい、そうですね(笑)」

うつむいて恐縮する沼田さん(笑)

吾郎 「次、会ったら、羽田さんみたいになってたらビックリしますよ、僕」
沼田 「いえいえ(汗)」

影裏』で、新人純文学作家の登竜門である文學界新人賞も受賞されてダブル受賞の快挙。賞金については、車検、自動車税、滞納していた国民年金の支払いでほとんど消えてしまったそうで、なかなか面白い方でした(笑)

最近の作家さんたちは、話術も上手な方が多くてそれに慣れてしまっていたけど、本来は沼田さんのように寡黙でシャイな作家さんたちも多くいるんだろうなぁと。それでも、テレビはこの「ゴロデラ」が初めての出演というのはありがたいです。吾郎と外山さんなら、ちゃんと作品の話をして、トークも回してくれます。どんな作家さんたちも出てみたいと思われるのは当然かもしれない。

吾郎のラジオはradikoでエリアフリーとタイムフリーが今週から可能になり、radikoのプレミアム会員になれば未放送地域でも聴けるようになりました。この「ゴロデラ」もTBSさんのTverやオンデマンドサービスが始まるよう声を出していってくれるとありがたいです。ジャニーズ事務所を出てやれることのひとつがまた増えました。要望は出していきたいですね。

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コメント

Kazuyoさま

デビュー作がいきなり芥川賞受賞で初めてのテレビ番組出演ということで、沼田さんの緊張感がひしひしと伝わってきました。そんな沼田さんに冒頭から笑顔で「緊張してます?」と優しく問いかける吾郎さん。何時ものようにゲストが話しやすいような雰囲気を作り、ゲストのペースに合わせて話を引き出す吾郎さんと外山さんの巧みな間の取り方には感心します。

この番組の優れているところは、朗読があることですね。審査委員が絶賛していた描写力も、朗読と映像でその表現の美さを直に感じる事ができました。沼田さんの人柄を視聴者に知って貰うために岩手まで取材に赴いた事も、愛が感じられる編集も、この丁寧な仕事ぶりが作家、出版社の編集者に絶大な信頼を寄せられている所以なのだろうと思いました。

マイノリティに対しての沼田さんと吾郎さんの考えが素晴らしい。徐々に緊張が解けてきた沼田さんに賞金の貯金を勧める吾郎さんには、吾郎さんらしく堅実でいいなぁと微笑ましくなりました。

芥川賞と作品の格調の高さ、新人作家とMC2人の温かい交流がこの番組の良さを如実に物語っていましたね。

Book Bangが何時ものように今回の内容を忠実に記事にし、それをYahooニュースで取り上げてくれています。多くの人が見られるように、この番組の素晴らしさを伝えて盛り上げていきたいのですが、いつもコメントが少ないんですよね。先ほど覗いた時はコメント数22でした。関東ローカルといっても吾郎ファンで見られる方はもっと多いはず。こういう場の感想の多さが口コミで伝わり、関係者が動いてくれるかも知れません。録画ででも見られた方は1行でも良いので、ご協力をお願いいたします。(Kazuyoさん、いつもこの場をお借りしてすみません)

投稿: さやか | 2017/10/07 15:08

沼田さんは本当に素朴な方ですね。
テレビに出ることが初めてなのか、緊張していたみたいだけど、だんだんリラックスしてましたね。
吾郎さんと外山さんが寄り添っている感じがいいですね。
確かに、次に会った時にすごく話していたらびっくりするでしょうね。
ひっそり書いていたいというのが吾郎さんにはよく分かるんでしょうね。
沼田さんが、これからどんな作品を書くか楽しみです。
と言う前に、この作品を読まないと。

投稿: ゆっこ | 2017/10/08 16:27

mistさやかさん
塾の講師をしておられるという沼田さんは、かたらわで好きな小説を書かれていて出版されたデビュー作がいきなり芥川賞となったのは、きっとご本人も驚きだったでしょうね。受賞したことで、自分は変わらなくても周りの自分を見る目が変わったというのは受賞された作家さんたちは皆さん言われています。テレビ出演のオファーも受けることもあると思いますが、いきなり初めての出演番組が稲垣吾郎さん相手では、ちょっと緊張しますよね(笑) それも、真正面に座られるとまともに顔を見れないというのもわかります。その空気は、吾郎と外山さんにはヒシヒシと伝わっていたようで(笑)、お二人の優しい進行と親太朗くんの消しゴムはんこは、沼田さんを最後には笑顔にさせる力があります。吾郎のコメントは、いつもとても良くて作家さんたちが「そうですね」と同意することはとても多い。そして、朗読は丁寧で書いた者としては嬉しいでしょうねぇ。
Book Bangさんの「ゴロデラ」のネット記事は、毎回とても丁寧でマメに更新してくれます。コメントは長く書く必要もないので、読んだときにひと言だけでもいれるようにすればかなり違ってくるのではないかと。Book Bangに限らず、テレビやラジオへ声を届けるのも同じですよね。コメントが素晴らしいことにこしたことはないけど、やはり届く数は大事です。リアクション次第で続けるかどうかの理由のひとつになると思うのは、比べるのは恐縮ですがブログでレポを書いている身としてはとても理解できる(笑) 吾郎さんの今後の活躍のためにもなんとか皆さんが奮起してほしいと思います。


mistゆっこさん
沼田さんは、もともとおっとりしたおとなしい方だとは思うのですが、収録が進むにつれて笑顔も出てきて饒舌になっていく変化がよくわかりました(笑) その人のペースで番組を進行する吾郎と外山さんは素晴らしいですね。いろんなバラエティ番組がありますが、ゲストの方に合わせるという意味では、かなり優秀でどんな司会者にも負けていないと思っています。沼田さんの作品の良さもとてもよくわかる構成でした。受賞した作品という理由ではなく、素直に読んでみたいと思いましたね。また、我が家の本棚の本が増える(笑)

投稿: kazuyo | 2017/10/09 04:34

kazuyoさん、こんにちは。沼田さん可愛いです(笑)緊張してはにかみやさん的な所もテレビ慣れしてないところも作家さんらしくて素朴でいいなって思いました。生出川にも実際に案内してくれたのは嬉しかったです。案内して実際に場所をしることによってその世界に入り込めるのが嬉しいです。その時代の人を書きたい、マイノリティーの方々を救うではなくザルですくう感じという沼田さんの想いも聞けて良かったです。沼田さん、塾で英語を教えてらっしゃるんですね。いい先生なんだろうなhappy01地元の方々も凄い喜ばれてて、皆さんの笑顔が印象的でした。吾郎ちゃんの「芥川賞とったんだもん」この「もんsign03」が可愛すぎる(笑)もうほんと可愛いがすぎますよ吾郎さん(笑)沼田さんも緊張されてたけど、笑顔も見れたりして、MCの二人も盛り上げてくれたし、吾郎ちゃんも自然に相手を安心させていて素晴らしいなって思ったし、そのふいんきを作るゴロデラも素敵だなって思いました。「編集長稲垣吾郎」も未放送地域でも聞けるようになって、(早速登録しましたhappy02)ゴロデラもこんなふうにみんなが見れる番組になってほしいなと思います。きっとその日が来るのを信じてますsign03そのためには沢山声をあげていきたいです。

投稿: りな | 2017/10/09 11:39

mistりなさん
沼田さんは、この番組がテレビ初出演ですものね。それはそれは緊張するだろうとは思うのですが、吾郎と外山さんの巧みなMCでだんだん落ち着いてよく話してくれるようになったと思います。もともと、おとなしいとは言え、お話好きの方なのかもしれません。塾の生徒さんからも慕われているみたいですし。そこを引き出してあげるMCの力は素晴らしいですね。芥川賞を受賞すると、次回作も当然期待されるだろうし注目されるので大変だとは思うのですが、今後も精力的に執筆していってくれるといいですね。とりあえず、受賞された今回の課題図書は読んでみようと思いました。吾郎のラジオが全国で聴けるようになったのは喜ばしいことなので、是非、この「ゴロデラ」もあとに続いてほしいと思います。要望を出していかないといけないですね。

投稿: kazuyo | 2017/10/10 01:54

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