« ゆっくりと着実にスタート | トップページ | クローズド・サークルとは? »

狂気の女優魂

ゴロウ・デラックス (2018年4月19・26日放送分)

ゲスト:岩下志麻・春日太一

一度、番組に来てくださった時代劇研究家の春日さんが、大女優さんについての本を書かれたということで大特集です。

第293・294回課題図書 『美しく、狂おしく~岩下志麻の女優道』  春日太一著

Photo 岩下志麻さんは、1958年の17歳のときに女優デビューしたのち、小津安二郎監督の映画『秋刀魚の味』(1962年)や川端康成原作『雪国』(1965年)など数々の名作に出演。代表作となった『極道の妻たち』シリーズは大ヒット。

今回、岩下さんをテーマに本を書かれたのは、以前番組で取り上げた五社英雄監督の取材をしているときに、監督の作品に多数出演されている岩下さんは欠かせないだろうということでご本人に取材をお願いして実現したのがきっかけ。

岩下さんと吾郎は、「スマスマ」でのコント(ホストマンブルースですね(笑))で共演した過去がありますが、岩下さんはご自身で面白くなるような小道具を持参(笑) さすが、役をご自身でプロデュースされるだけのことはあります。岩下さんの役作りは徹底している。

はなれ瞽女おりん』(1977年)
盲目の三味線弾きを演じる際に、なるだけ日常で目をつむって過ごしてみることから暗闇に慣れるようにした。

吾郎 「そこまで、僕はしたことがありません」

どちらかと言うと、吾郎は頭で考えて役を自分のものにするタイプの役者さんだと思うので、それぞれでいいと思います(笑) 岩下さんは、ガッツリ役に入り込むタイプなので、現場で日常のことで話しかけられるのは苦手だそう。吾郎は、『笑の大学』のときに相手役の役所広司さんに、カメラ本番直前まで下を向いていたことに注意を受けたことがあるらしい。カメラが回る前に、二人の見つめ合う緊張感は作らないといけないというアドバイスは、いまでもよく覚えているのだとか。

卑弥呼』(1974年)
邪馬台国の卑弥呼を演じるための役作りのときは、霊媒師に会って卑弥呼の霊を自分に降ろしてもらうよう頼んだ。実際は、一緒に行った方が突然畳をかきむしった様子を作品の中で参考にさせてもらったのだとか。

鬼畜』(1978年)
夫の愛人の間にできた子どもたちを虐める役なので、現場では子役の子たちとは一切話さず冷たい態度を取り続ける。子どもたちは、本当に怯えていたらしく、効果抜群だったんですね(笑)

春日さんが選ぶ、岩下志麻狂気の女優道ベスト3
1. 人格を演じ分けた女優魂
悪霊島』(1981年)二重人格としてのふたつの女性を演じ分ける。これが、妖艶さのハードルが斜め上をいく自慰シーンで、ご自身が監督に提案したというから、女優さんって怖い(笑)

2. あの女優との演技合戦
疑惑』(1982年)
アドリブを入れ込むタイプの違う女優、桃井かおりさんとの女優対決。岩下さんがアドリブをまったく入れないにもかかわらず、毎回動じず演技を続けたというのが見もの。

吾郎 「カメラマンさんがいて、監督さんがいて、もうカット割りを考えているのに、アドリブを入れていくっていうのは、基本的には僕はダメだと思いますけどね。あっ、アドリブ言ってきた・・・って、一瞬そっちの感情になるじゃないですか。別に桃井さんのことを言ってるわけではないんですけど(笑)、僕はアドリブする人はあまり好きじゃないです」

吾郎が言っていた、「作品は役者のものではなくて、監督のもの」という名言をまた思い出した。吾郎の中での役者とはという理論は、筋が一本通っていて揺るぎないと毎回、役者論を聞くたびにそう思います。

3. 禁断の映画制作秘話
魔の刻』(1985年)
禁断の母子愛を描いた作品。息子役を演じたのは坂上忍さん。まさに狂気の母親ですが、この作品は岩下さん自らが熱望した企画。

日常から離れた狂気を演じたいと思っている岩下さんは、狂気を自然に演じるということを心掛けているそうですが、ここで吾郎と二人で演じることの会話が弾んでいた。岩下さんも吾郎も、自分とは違う役を演じきることが楽しいんだろうなぁ。春日さんも、一人の人間として捉え心情を理解し、狂気を特別なものとして演じないのが岩下志麻という女優なんだと分析されています。

岩下さんが今、やりたいと思っている作品は、過去の栄光にすがりつく女優の悲劇を描いた『サンセット大通り』。
春日 「ここのお二人でやったら、きっとピッタリな感じしますね」
岩下 「あ~、ピッタリね。あの役ね!」
吾郎 「あの役があるんですか?」
岩下 「相手役の男役の記者の人間がいるんですよ」
吾郎 「光栄ですね。いつかご一緒させてください」
岩下 「そうですね。こちらこそ、よろしくお願いします」
吾郎 「その企画のとき、僕のこと忘れないでくださいね」
岩下 「今日、しっかり刻み込みましたので(笑)」

是非、岩下さんが次回やりたいという作品『サンセット大通り』、相手役は吾郎さんで(笑)

|

« ゆっくりと着実にスタート | トップページ | クローズド・サークルとは? »

コメント

例のごとく揚げ足取りで何ですけど
小津!です。監督名。

投稿: hiro | 2018/05/08 06:25

hiroさん
ご指摘、ありがとうございます。
訂正させて頂きました。

投稿: kazuyo | 2018/05/08 08:14

Kazuyoさん、お久しぶりです。
慣れないネットのあれこれに苦戦している日々です。Kazuyoさんは氷の王子にかかりっきりかと寂しく思っていましたが吾郎さんのこともちゃんと見てくれていてほっとしてます。
岩下志麻さん、素敵でした。子供の頃からその凛とした美しさは圧倒的でしたが今も変わらず歳を重ねた深みも加わって素晴らしい女優さんですね。役への取り組み方がものすごいですがアプローチは人それぞれ、吾郎さんの姿勢は大好きです。ぜひお2人の共演が観たいです。
吾郎さんの舞台が発表されてとても嬉しいのですが、京都と聞いてショック。オタオタしていたら娘に地方の方の気持ちを少し理解しろということじゃない?と一言。確かにいつも恵まれていることを実感しました。いまは地方のテレビ局が頑張っていて羨ましいところもありますが。
ななにーでの吾郎さんがずっとあまりにも美しかったので魔に魅入られないか心配になってしまいました、笑。

投稿: maako | 2018/05/08 09:05

moon3maakoさん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。そうですね、オリンピックシーズンで氷の王子の銀メダルに歓喜していて、レポが遅れました(笑) 吾郎のことは、おざなりにしているわけではなくてただ単にレポが追い付かなくなっただけで(汗)、愛は一ミリたりともなくなっていません。氷の王子は純粋に応援しているアスリートで、吾郎はリアル王子様なので(笑)
岩下志麻さんの役者としての姿勢は、吾郎は好きなんだろうなぁと。持ち上げているわけでなく、本当に尊敬している女優さんだというのが吾郎の言葉の端々から伺えました。ここは、是非、共演してほしいですね。今月の「ななにー」で吾郎からの報告があると聞いたときは、映画の話なんだろうなぁと思っていたのですが、まさかのミュージカルでしたね。これは、素直に嬉しい。そして、地元関西での公演はさらに嬉しい。今回、京都公演になったのは、パルコプロデュースですが渋谷のパルコがまだ改装中だからでしょうね。「ななにー」での吾郎さん、なんか若返っているように見えた(笑) また、舞台で天使のような透き通った歌声が早く聞きたいです。

投稿: kazuyo | 2018/05/08 20:21

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ゆっくりと着実にスタート | トップページ | クローズド・サークルとは? »